発現
発現とは
DNAの特定の遺伝子領域をもとに、アミノ酸からタンパク質が合成されること。
発現のながれ
ここでは、DNAの遺伝子領域をもとに、どのようにタンパク質がつくられるのか、簡単に見ていこう。
それぞれの過程について、詳しくは各用語の解説ページで確認してね!
➀転写
DNAの一部にはタンパク質のつくりかたが書いてあり、その情報(=遺伝情報)を基にアミノ酸からタンパク質がつくられる。
ところが、DNAは核の中にあるのに対して、タンパク質の材料のアミノ酸は、核の外にある。これではタンパク質をつくるのは難しそうだ。
そこで、DNAのうち、タンパク質をつくるのに必要な部分だけを写して、核の外に持ち出すという作戦を使っている。
このDNAの一部を写し取る過程を、「転写」という。また、写し取られたものを、RNAという。
②翻訳
RNAは核外に運ばれ、RNAの情報に従いアミノ酸が順に並べられて、タンパク質が作られる。
このRNAの情報に従ってアミノ酸が並べられる過程を、「翻訳」という。
このようにして、DNAをもとにタンパク質が作られるのである。
ざっくりとした流れはつかめただろうか。
遺伝子の発現場所について
全ての細胞は同じDNAを持つが、全ての細胞で全ての遺伝子が発現するのではなく、組織や器官によって、発現場所が異なる。
※発現とセントラルドグマのちがい
「発現」と「セントラルドグマ」の2つの言葉は似たようなものを指すが、意味は少し異なる。
発現は、DNAをもとにタンパク質がつくられるという一連の現象のことを指す。
これに対して、セントラルドグマは、遺伝情報は、DNA→RNA→タンパク質の順に一方向に伝達されるという考え方のことを指す。
つまり、
発現→現象
セントラルドグマ→考え方
ということだ。しっかり区別できるようにしておこう。
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