【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
体液性免疫について講義します。
語呂「体を駅で交代(体液性免疫は抗体を用いる)」無意味な語呂ですね。正直に体液中に抗体を分泌、と捉えた方が覚えられそうです。
●体液性免疫では、B細胞が抗体産生細胞に分化し、抗体を分泌する。
①樹状細胞が食作用で抗原を取り込みヘルパーT細胞に抗原提示を行う。
②ヘルパーT細胞がB細胞を活性化させる。
③B細胞が抗体産生細胞に分化し、抗体を体液中に分泌する。
*「生産(せいさん)」ではなく「産生(さんせい)」なので注意!
④抗原と抗体は抗原抗体反応を起こす(そしてマクロファージが食作用で排除する)。
●体液性免疫にはたらく抗体は、免疫グロブリンとよばれるタンパク質で、H鎖(長いのでヘビー)2本とL鎖(短いのでライト)2本の計4本のポリペプチド鎖からなる。それぞれの鎖には可変部と定常部がある。
可変部とよばれる部分は抗体によってアミノ酸配列が異なっていて、それぞれ特有の立体構造をもつ。抗体は可変部で抗原と特異的に結合する(可変部の構造によって結合できる抗原が異なる)。
L鎖とH鎖、およびH鎖同士はS-S結合で結合している(S-S結合は、アミノ同士の特殊な結合。S-S結合があるおかげで、タンパク質は正常な立体構造がとれる)。資料集で免疫グロブリンの図を見ておこう(難関大志望者は免疫グロブリンは描けるようにすること)。以下のnoteに簡単な図がある。
https://note.com/yaguchihappy/n/n24535918fc56
問題:以下の文章は免疫に関わるある細胞を説明したものである。その細胞とは何か。
「もともとは、他の血球と同じく、造血幹細胞に由来する細胞である。この細胞は食作用活性を持つ。この細胞の働きは、抗原提示細胞として、MHCを用いて、T細胞に抗原を提示し活性化させ獲得免疫を促すことである。樹状の突起を有す特徴的な形態から名前が付けられた」
答え:樹状細胞(2011年に樹状細胞の命名者はノーベル生理学・医学賞を受賞している)
問題:B細胞はヘルパーT細胞に活性化されるとどのように変化するか。
答え:抗体産生細胞に分化し、抗体(実体は免疫グロブリンというタンパク質)を分泌するようになる。
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#体液性免疫