【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
減数分裂について講義します。
●減数分裂は間に間期を挟まない2回の連続した分裂であり、DNA量、染色体数が半減する。
・間期
S期にDNA量が2(相対値)から4に複製される。
*核当たりのDNA量はG1期を2とする。
*DNA複製を終えた染色体は、2本の姉妹染色分体から構成されるようになる。これらの染色分体は、コヒーシンというタンパク質によって接着している(1本の染色分体には、1本のDNAが含まれる)。
以下、
①核相
②核当たりのDNA量(相対値)
③特徴
の順に記す。
・第一分裂
前 期
①2n
②4
③相同染色体が対合して、二価染色体が形成される。相同染色体の間で染色体の一部が交換される(減数分裂第一分裂前期に染色体の乗換えが起こる)。
中 期
①2n
②4
③二価染色体が赤道面に並ぶ。
後 期
①2n
②4
③二価染色体が対合面で分かれ、染色体がそれぞれ両極へ移動する。
終期
①2n(終了とともにnになる)
②4(終了とともに2になる)
③第一分裂が終わると、娘核の染色体数は半減(n)する。続いて、DNAの複製を行わずに第二分裂の前期に入る。
<間期なし。そのまま第二分裂に入る(DNA量を減らそうとしているのに、第一分裂と第二分裂の間にDNA合成期なんてあったら、何をしようとしてるかわからない)。>
・第 二 分 裂
前 期
①n
②2
中 期
①n
②2
③染色体が赤道面に並ぶ(中期と言えば「赤道面に並ぶ」)。
後 期
①n
②2
③2本の染色体(染色分体)が縦裂面で分離して、両極へ移動する。
*この過程(染色分体が縦裂面で分離する)は体細胞分裂に似ている。
終 期
①n
②2(終了とともに1になる)
③核膜が形成される。
*減数分裂の結果、染色体数(及び核相)が母細胞の半分になった娘細胞が4個生じる。
noteに簡単な図がある。
https://note.com/yaguchihappy/n/n99868b1b21fe
●細胞分裂には2種類ある。体細胞分裂は主に細胞数を増やすことを目的に行う。減数分裂は数を増やすこと自体が目的ではなく、配偶子(精子や卵)をつくることを目的として行う。
●1900年のメンデルの法則の再発見後、直ちに数人の研究者たちは、メンデルの言う遺伝因子が染色体にある可能性のあることを指摘した。
その中でも、サットンは、遺伝子は染色体に存在するという『染色体説』を簡潔にまとめ、発表した。彼の論旨のいくつかを述べる。
・精子と卵は世代と世代を結ぶたった一つの橋だから、すべての遺伝的特性はこの二つによって運ばれるに違いない。
・精子はほとんどの細胞質を失っている。だから、遺伝因子は核にあるに違いない。
・染色体は対になっている。メンデル因子もそうである。
・染色体は減数分裂のとき分離する。すなわち対になっている二本の染色体は一本ずつ別の細胞に入る。メンデル因子も配偶子を形成するときに、同様に分離する。
●染色体の数え方が時代とともに変わってきている。染色分体1本(複製されたふたつのDNA分子の片方、つまり、X字のようになっている染色体の、半身)を1本の染色体と数える教科書も出てきている。
同じ会社の教科書ですら、文脈によって数え方を変えているものもある。
高校生の皆さんにとっては甚だ迷惑な話ですが、生物学では用語の定義が微妙に変わることはたまにあることです。注意深く問題文を読む癖をつけましょう(迷ったら、なるべく教科書に近い解釈を選びましょう)。
●減数分裂の意義は主に2つある。
①染色体数を半減して、子が親と同数の染色体をもつようにする。
②親の染色体をさまざまな組み合わせで受け継いだ多様な配偶子をつくり、さらに、染色体の乗換えを起こすことで、遺伝的多様性を増す。
●減数分裂は体細胞分裂と違い、
①染色体数(DNA量)が半減する。
②2回の分裂が連続して起こる。
③第一分裂時に二価染色体(相同染色体が対合したもの)が形成される 。
<Q.どうして減数分裂第二分裂で、核相がnから半減しないの?…核相は、染色体が何組あるか?を表す数値である。簡単に判断するには、染色体に同形同大のペアがいれば2n、いなければnである。減数分裂前は、相同染色体(同形同大の染色体)はペアになって存在していた(同じ大きさで同じ形のX字の染色体が2本ずつあった)。しかし、第一分裂後は同形同大のペアがいないから核相はn。弟二分裂後も核相はn。>
核相について
• 核相、染色体の構成 高校生物 #Shorts
体細胞分裂について
• 体細胞分裂に関するグラフ 高校生物基礎
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