慶應義塾大学法学部 西野純也 教授
タイトル:「実証的分析により朝鮮半島の政治・外交・安全保障を見通す」
慶應義塾大学法学部政治学科西野純也教授は現在、朝鮮半島の政治・外交・安全保障について研究しています。
「ふたつの柱がありまして、ひとつは歴史資料、外交文書、政府の関係文書に基づいた1960年代以降の韓国あるいは北朝鮮の現代史をやっております。もうひとつの方は現代の現状分析をやっておりまして、こちらはまさに現在の動きですね。北朝鮮の核問題や、韓国の外交安全保障問題、そしてアメリカや中国との関係、こういった事に関心をもって研究をしています。」
日本の隣国である韓国と北朝鮮。
この2つの国の国内情勢は変化が激しく様々な問題が起きてきました。それに対し日本国内では韓国の民主化や北朝鮮の共産主義などに注目し研究が行われてきました。
「それに対して、若干距離を置いて、実証的な資料を使った研究を行うというのが元々慶応大学の朝鮮研究のあり方です。さらにそこから発展して、私も現在も引き継いでいる研究のあり方は、北朝鮮と韓国というものを、分断国家ではあるけれども、ひとつのシステムとして見る。元々北朝鮮は北朝鮮研究、韓国は韓国研究という風に分かれて行うケースが多いんですが、私はむしろ朝鮮を北と南でひとつのシステムとして捉えて、そこから何か朝鮮半島あるいは朝鮮政治の特徴を導き出そうというのが、私のオリジナリティであり、かつ慶應義塾の朝鮮研究の特徴ではないかと考えています。」
また、西野教授は朝鮮半島の政治が国際社会に与える相互作用にも着目して研究を行っています。
「ひとつは歴史的な資料を使うというやり方があると思います。これは韓国であれば、現在では80年代の初盤まで、韓国外交部の外交文書は公開されていますし、韓国には国家記録院というナショナルアーカイブスもありますので、そういった資料も使う。北朝鮮の場合は、こういった資料に基づいた研究というのは、かなり難しい側面があります。というのは北朝鮮は歴史的な事実をかなり改ざんしますので、そういった資料については、いわゆる批判的なリーディング、読み解きが必要になります。そういった歴史的な文書を使った研究がオーソドックスなやり方としてあると思います。」
「もうひとつは、私は現状分析もしているわけですが、現状分析については、やはり常にニュースに気を配るというのが基本的なやり方で、かつ、韓国であれば、大統領の記者会見や、外国訪問時にどういう発言をしたかとか、あるいは北朝鮮の場合は、公式なメディア、労働新聞や朝鮮中央通信といったものに、常に気を配って、それもやがて著しい歴史的な価値を生む資料になると思いますが、それをリアルタイムで取り入れながら取り入れながら分析をすると。こういうふたつのやり方があると思います。」
資料を読み解くことで、日本と朝鮮半島との関係を実証的、そして客観的に見つめる。それをもとに、さらに良好な関係を築くための課題と方法を探ります。今後も西野教授は、現代史研究と現状分析を2つの柱として、朝鮮半島の研究をしていきます。