【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
ペーパークロマトグラフィーについて講義します。
語呂「カキクa b(ペーパークロマトグラフィーでは、溶媒前線に近い順に、カロテン、キサントフィル、クロロフィルa、クロロフィル bの順で分離する。)」
問題:ペーパークロマトグラフィーにおいて、原点から最も遠くまで移動する色素は以下のうちどれか。1つ選べ。
①カロテン ②キサントフィル ③クロロフィルa ④クロロフィルb
答え:①
●厳密には、ペーパークロマトグラフィーは、濾紙を固定相とし、主に有機溶媒を移動相として、毛細管現象による展開液の浸透によって、試料成分の展開・分離を引き起こす手法である。
●固定相に濾紙ではなく薄層プレート(シリカゲル薄層プレートなど)を使う場合は、薄層クロマトグラフィーといい、前線に近い順から、カロテン、クロロフィルa、クロロフィルb、キサントフィルの順番に分離される。
(固定相が異なると化学的な分離条件が変わるので、このように濾紙を使った場合と差が出てくる。)
●Rf値はrate of flow の略。流動率=その物質は、どの程度流れ動きますか?というニュアンスの意味。
●当たり前だが原点を展開液の中に沈めてはならない。サンプルが展開液に拡散してどこかに行ってしまう。
●色素の移動距離を測定する時は、色素の「中央」から原点までを測る。
●植物などから色素を抽出するときに使う石油エーテル、トルエンなどの抽出液や、ジエチルエーテル、キシレンなどの展開液は、有機溶媒で、すぐに蒸発し、引火性も持つ。なので溶液にはフタをする。
●R f値をなるべく正確に測定することができるように、原点は直径5mm以内にすることが望ましい。
●色々な成分が含まれる試料中の各成分を、固定相と移動相という性質の異なる相の間で繰り返し相互作用させ、それぞれの相に対する親和性の違いによって分離する方法をクロマトグラフィーという。
●試料の成分は、固定相と移動相との間を往復しながら、移動相と共に移動するが、固定相に対する親和性の高い成分ほど移動速度は遅くなるため、その差によって分離が達成される。
ペーパークロマトグラフィーは、1944年にアミノ酸分析(アミノ酸の場合は色がついていないので、ニンヒドリン反応を起こして着色する)に用いられてから広まった。
(実際は、ペーパークロマトグラフィーは、濾紙繊維中の吸着水を固定相としている。)
クロマトグラフィー自体は、1903年にツヴェットが発明し、カロテンとキサントフィルの分離に成功していたが、長い間化学者の注目は受けなかった。
●クロマは色、グラフィは記録というギリシャ語が語源。
●シリカゲルを用いた薄層クロマトグラフィーが1956年にシュタールによって行われ、その精度の高さから、急速に普及した。
#高校生物
#クロマトグラフィー
#光合成