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キーストーン種について解説します。
●ロバート・ペインという研究者が、ヒトデ(パープルシースター)を定期的に岩から引きはがして除去した。結果、ヒザラガイ、カサガイ、カメノテなど、ヒトデに食べられていた生物の個体数が激減した。意外なことに、海岸は競争力の大きなイガイだらけになってしまった(ダジャレである。別に意外ではない)。
ヒトデを除去した海岸では、イガイが岩礁表面を独占し、他の無脊椎動物や藻類を駆逐していた→種多様性が激減した(つまり、ヒトデは第三者として、海岸のその他の生物同士の競争関係に影響を与えていた)。
●厳密な話ではないが、上位捕食者(たとえばヒトデ)がキーストーン種となっていることが多い。いずれにしろ、結果から「ああ、あの種はキーストーン種だったんだ」と判断することが多い。
●シャチがラッコを多く食べだしたことで(人間の影響かどうかは不明)ウニが激増し、ケルプ(大きな海藻)が食べつくされてしまった。ケルプの森は様々な生き物の産卵場所であり、住処である。ラッコはキーストーン種であった。
●ほとんどの場合、キーストーン種を前もって知ることはできないので(その種を取り除き、その結果生態系が崩壊するかどうか確認するという研究は、なかなか行えたものではない)、実践的には「アンブレラ種」に注目し、議論した方がよいという意見がある。アンブレラ種とは、その種の保全が、他の多くの生物を保全することにもなる生物である。アンブレラ種が生育できる環境を保全すれば、同じ傘の中にいる多くの種も保護することができる。たとえば、アンブレラ種には、トラ、フクロウなどが考えられる(上位捕食者であるアンブレラ種が生育できる環境を保全すれば、その地域に生息する他の多くの種を保全することになる)。
●ヒトデが貝同士の相互作用に影響を与えている。オオクチバスがアメリカザリガニとトンボの幼虫の相互作用に影響を与えている。このように、ある生物同士の相互作用が、第3者によって影響をうける現象を間接効果という(生物基礎範囲外)。
もっと単純な間接効果の例として、ラッコがウニを食べることで、ウニに食べられるケルプの量を減らすという話がある。ラッコが、ウニと言う第三者を介して、ケルプの数を増やしている。これも、少し見方は違うが、間接効果と呼ぶ(当然、ラッコは直接ケルプを生んでいるわけではないが、ウニと言う第三者を食べることで、ケルプを間接的に増加させている)。
*種間相互作用では、直接の効果だけでなく、間接の効果もはたらく。効果の始動者となる種の影響が、効果の受動者となる種に、伝達者(始動者と受動者以外の種)の密度や形質の変化無しにに伝われば、それは直接効果である。始動者となる種の影響によって、伝達者となる種の密度や形質が変化し、これが受動者となる種に伝わるのが間接効果である(したがって、一般に、間接効果は直接効果よりも発揮されるのに時間がかかる)。間接効果が生じるためには、伝達者の存在が必要である。
*間接効果の定義はざっくりしているので、もちろん様々な見方をすることができる。オオクチバスが、アメリカザリガニを第三者として間接的にトンボの幼虫を増やしている(アメリカザリガニと言う第三者を介して、ブラックバスがトンボの幼虫に正の間接効果を与えている)と捉えることもできるし、アメリカザリガニによるトンボの幼虫の捕食の程度を、ブラックバスという第三者が制限している、と捉えることもできる。
0:00 キーストーン種
2:15 発展(間接効果など)
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