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ラウンケルの生活形 高校生物基礎


矢口はっぴー

12分14秒

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説明

【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
ラウンケルの生活形について講義します。

●ラウンケルは、休眠芽(きゅうみんが。年を越す組織。一般に、冬季や乾期の間不活性なままでいて、好適な条件になると再び生長を開始する)をつける位置(高さ)で植物の生活形(生活様式を反映している形態)を分類した(これは、DNAの塩基配列による分類ではない。あくまでも生活を反映した「形態」、つまり姿かたちに注目した分類である)。
●ラウンケルの生活形は、その植物が生活する環境を非常によく反映している。たとえば、
熱帯では地上植物が多く(より高い位置から成長をはじめることができるため[高い位置に芽をつけても寒さが激しくないので平気])、
乾燥の激しい砂漠では一年生植物が多く(種子の状態で激しい乾燥を耐えるため)、
寒冷な地域(ツンドラなど)では半地中植物が多い(高い位置では風などにさらされるが、地表付近では雪や枯葉で芽が守られるため)。
●その地域内でそれぞれの生活形に属する種の数を%で表したものを「生活形スペクトル」という。
noteにイメージ図があります。
https://note.com/yaguchihappy/n/nce491ab1d847


●葉を落とさない木を常緑樹、葉を落とす木を落葉樹とする説明をみかけるが、誤りである。常緑樹の下に行けば誰でもわかるように、常緑樹も年中少しずつ葉を落とす。この常緑・落葉というのは、相対的な違いである。特定の時期に葉のほぼすべてを落とす樹木を、一般的に落葉樹と呼んでいるのである。
●休眠芽の先は、生育に不適当な時期には、一般に枯れてしまいまう(たとえば、半地中植物は、だいたい地上に突き出た部分は枯れてしまいます。タンポポの茎の地上に伸びた部分が冬にはなくなってしまうことをイメージするとわかりやすいです)。
●冬に葉を落とすのは、冬という「乾燥していて、さらに気温が低く、光合成の速度も落ちる時期」に葉をつけておくのは不利だからだと考えられている(葉をつけておくと、蒸散によって水が逃げて行ってしまいます)。
●地中植物に水生植物も含めることもある(水生植物は池や沼の泥中の地下茎に休眠芽をつくる。水生植物には、生育期に葉や茎を水面から上に出す抽水植物と、出さない水中植物がある)。
●コケモモは低木。
●球根は、塊根(サツマイモ、ダリア)、塊茎(ジャガイモ)などを総称した園芸学上の用語。
●地上植物と地表植物のラインは25cmとすることもある。
●高校生は休眠芽=冬芽としてよい。「虫食われや枝折れ、春先の低温などでシュート(葉と茎をあわせた単位)が枯死した時に、代わりのシュートをつくる芽」を休眠芽として、休眠芽を「次年度春先に葉を展開するための芽」である冬芽と区別することもある。ただし、芽の定義、休眠の定義は難しく、はっきりしない場合が多い。
●ロゼット型は、茎を長く伸ばさないので、エネルギーや資源の節約になっていると考えられている。
●ロゼットの中心のすぐ地中に芽がある。この芽が、ロゼット葉の基部や土壌で保護されている。
●正確には、タンポポやオオバコなどのロゼット型多年草は、明確な休眠芽をもたない。芽は低温により休止するが、はっきり外から見てわかるような冬芽は観察できない(これらの植物は、葉をつけて越冬するが、冬芽はつけない)。
●ちなみに、キャベツの食べる部分(丸くて大きい形態)は、巨大な芽(頂芽)である。幼葉が重なり合ってシュートになる原基を包んでいる。
●冬がない熱帯でも、「乾燥に耐えるための芽」は存在する。



0:00 はじめに
0:18 生活形
2:51 ラウンケルの生活形
6:08 地上植物(熱帯に多い)
7:03 地表植物(コケモモなどの低木)
7:52 半地中植物(寒冷な地域に多い・ロゼット葉)
9:40 地中植物(球根・ユリなど)
10:12 一年生植物(乾燥する地域に多い)
10:59 まとめ


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