【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
生態系サービスについて講義します。
●人類は生態系からさまざまな恩恵(生態系サービス)を受けている。生態系サービスを生み出す源泉は、生物の多様性である。生態系サービスには以下の4種類がある。
①供給サービス:物の供給
より正確には「食料や建築資材など、有用な物質の供給」
②調整サービス:危険な変動の制御(環境条件を適切な範囲に保つ)
より正確には「気候調整や水の浄化など、環境条件を適切な範囲に保つ作用」
③文化的サービス:非物質的な価値の供給
より正確には「芸術的・宗教的影響など、精神面への作用」
④基盤サービス:生態系を維持し続けるために必要なサービス
より正確には「人間への影響は間接的だが、土壌形成や物質の循環のように、(上の①~③の直接的なサービスをもたらす)生態系を維持するために必要なサービス」
*①~③は直接的なサービス、④は間接的なサービスである。
●供給サービスには、薬の成分の供給なども含まれる。
●調整サービス(調節サービス)には、土壌の流出の制御(植物の根が土壌の流出を防ぐ)、病害虫の蔓延の制御(多種の捕食者が害虫を食べてくれる)も含まれる。
●文化的サービスには、審美的・宗教的影響が精神に及ぼす効果も含まれる。
●基盤サービスには、光合成による有機物の生産(一次生産という)や栄養塩類の循環も含まれる。
(直感的な倫理観によって「自然を守らなければいけない」とする態度は、この講義とは別の次元で大切なものです。生態系サービスはその気持ちを否定する概念ではありません。念のため。)
(生態系サービスは、厳密な定義があるわけではありません。この講義は、基本的に高校教科書の定義に従っています。)
(動画中「森林があると洪水は起きにくい」と言ってしまっていますが、実際に、どの程度効果があるのかは、地域ごとに丁寧に検証を続けていく必要があります。)
0:00 生態系の復習
1:06 供給・調整・文化的サービス
4:56 基盤サービス
7:32 生物多様性
#生物基礎
#生態系
#生態系サービス