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• 生態系サービス 高校生物基礎
問題:植物が光合成を行い、大気中のCO2濃度が減少した。これは作用の例か。反作用(環境形成作用)の例か。
答え:反作用(植物と言う生物が、大気中のCO2濃度と言う非生物に影響を与えた)
*もちろん、同じ光合成について語っても「光が、植物による光合成を活発にさせた」という文章なら、光という非生物が、植物に影響を与えているから、作用の例になる。どの現象が作用で、どの現象が反作用と決まっているわけではない。同じ現象でも、どんな点にその問題文が注目しているかによって変わる。
問題:木々が影を作り出すことで、森林内の温度が低下した。これは(①作用・②反作用)の例である。適切な語を選べ。
答え:②(木々という生物が、温度という非生物に影響を与えている)
*反作用は環境形成作用ともいいます。
問題:生態系内を循環しないものを1つ選べ。
①炭素 ②窒素 ③エネルギー
答え:③
●生態系は「ある地域に住むすべての生物と、そこにある非生物的環境をひとまとめにしてとらえた系(システム)」を指す。A.G.Tansleyの造語。
今回の動画では「生物」と「非生物的環境」の関わり合いに注目しているが、当然、様々な生物同士の関わり合い(相互作用という)も存在する(動画に出てくる、食う食われるの関係もその一例)。
具体的には、物質循環や、エネルギーの流れに注目して捉えた系を指すことが多い(研究者によって生態系の定義が異なる)。
生態系について、生産者、消費者、分解者、非生物的環境に分けて議論することも多い(高校生物では、分解者は死体や排泄物を食べる消費者として扱う、つまり分解者を消費者の一部に含めることが多い)。
研究領域によって、海洋生態系、砂漠生態系、草原生態系、森林生態系、都市生態系などの区分がある。生態系には、数滴の水から、人の腸の中、学校の池、宇宙生態系まで、様々な規模の研究がある。
*ここでいうシステムとは、「様々な要因が関わり合いながら働いているしくみ」のようなイメージ。
●雨や土壌、温度、光など、(生物だけではなく)非生物を包括するシステムが生態系である。特定の物質を指す用語ではない。1種のシステムを指す。「系」はシステムと言う意味の語である。
●高校では習わないがリン(P)や硫黄(S)も生態系の中を循環する。
●たとえば、化学エネルギーを運動エネルギーに変換する際に、どうしても熱エネルギーと言う質の悪いエネルギーが出てしまう。呼吸と言う効率の良いエネルギー変換システムでさえ、多くの熱エネルギーを排出しながら進行する(高校内容とはまったく関係ないが、熱エネルギーからは仕事を取り出せない。熱エネルギーは質の悪いエネルギーであるとも言われる。海水から熱エネルギーを奪い動く船は作れないし、摩擦熱からエネルギーを取り出して動く車は作れない。また、熱エネルギーを出さずに、投入したエネルギーを100%無駄なく仕事に変えることはできない。この背景には宇宙を縛る熱力学の法則がある)。呼吸に限らず、様々な生命現象(生体内で起こる化学反応)が熱エネルギーの放出を伴う。
●たまに、生命の誕生がエントロピー増大の法則に反しているという主張を目にするが、誤りである。地球は断熱系ではない。地球は絶えず太陽から光エネルギーを受け取っている(これは系が外部から仕事を受けることと同じことであると考えられている)。そして、主に赤外線による輻射の形で宇宙空間にエネルギーを捨てている(これは系が外界に熱の形でエネルギーを渡すことと同じであると考えられている)。(そもそも、平衡に達していない系に対して、単純にエントロピー増大の法則を適用することはできない)
#高校生物
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