食物連鎖・捕食者と被食者の個体数の変化【生態系】 高校生物基礎
7分53秒
説明
【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
食物連鎖と捕食者・被食者の個体数の変化について講義します。
問題:網目状に絡み合った食うー食われるの関係のことを言うか。漢字3字で答えよ。
答え:食物網
問題:一次消費者を1つ選べ。
①ナナホシテントウ
②ジョロウグモ
③ウサギ
答え:③(①②は二次消費者。①はアブラムシなどを食う ②はチョウなどをを食う。)
● 被食者、捕食者の個体数は、周期的に変動(振動)する(ただし両者の位相はずれている)傾向があることが知られている。
*実際に実験室でこの周期的に続く変動を再現するのは難しい(たとえば、安定な平衡状態になるか、振動のために捕食者または両者が全滅してしまう)。しかし、野外において、いくつか振動が起きた例は知られている(カナダにおけるオオヤマネコとカワリウサギの個体数の変動など。ただし、個体数の周期的振動が、捕食者と被食者の相互作用のみが原因である[他の要因は関係していない]とはっきり証明された例はない)。
● 高校生は「被食者の増減に少し遅れて捕食者が増減する」というイメージで捉えてよい。
● 捕食者と被食者の個体数の周期的な振動を細かく見ると、以下のような過程が繰り返されている。
①被食者が増え、それを食べる捕食者も増える。
②捕食者は増えていくが、被食者は食べられて減り始める。
③被食者の減少が続き、捕食者も減り始める。
④捕食者が減少し、被食者が増加を始める。
①へ戻る。
これを、動画のような丸いグラフで表現することができる(実際は、条件によってグラフの形は歪む。ふつうは綺麗な円にはならない)。
この現象は、以下のロトカ-ヴォルテラ式という微分方程式で表される(ロトカとヴォルテラが独立に導いた)。
dN1/dt=r1N1―c1N1N2 ・・・式1
dN2/dt=c2N1N2―d2N2 ・・・式2
被食者の個体数:N1
捕食者の個体数:N2
r1:被食者の内的自然増加率(正の定数)
d2:被食者のいない時の捕食者の減少率(正の定数)
c1:被食者が捕食者にとらえられることに関する正の定数
c2:捕食者が採餌によって増加することに関する正の定数
t:時間
dN1/dt、dN2/dt:それぞれ、被食者の個体数が変化する勢い、捕食者の個体数が変化する勢いのようなイメージ。
丸いグラフは、ロトカ-ヴォルテラ式のN1、N2について、その変化をグラフに表したものである。
*被食者が捕食者に捕食され減少する影響が式1の(-c1N1N2)に現れ、捕食者が増加する影響が式2の(c2N1N2)に現れている。
*捕食者によって被食者が食われる速度は、捕食者と被食者の両方に比例し、c1N1N2である(これは両者がランダムに出会った場合に、ある確率で食われるという仮定に基づく)。
*c2N1N2は、「捕食者は被食者を食べるほど増える」ということを表す。
*捕食者は、餌がない時は、飢えて死ぬので、減少率d2で減少する。
*式1、2の微分方程式について深く考える必要はないが、
「被食者がいないと(N1=0)、捕食者は減少し続け、絶滅すること(式2について、dN2/dt=負となりN2は減少を続ける)」
また、
「捕食者がいないと(N2=0)、被食者は増加し続けること(式1について、dN1/dt=正となりN1は増加を続ける)」
ことはわかると思う。
0:00 食物連鎖(食物網)
1:27 捕食者と被食者の個体数の変化
#高校生物基礎
#生態系
#食物連鎖
食物連鎖と捕食者・被食者の個体数の変化について講義します。
問題:網目状に絡み合った食うー食われるの関係のことを言うか。漢字3字で答えよ。
答え:食物網
問題:一次消費者を1つ選べ。
①ナナホシテントウ
②ジョロウグモ
③ウサギ
答え:③(①②は二次消費者。①はアブラムシなどを食う ②はチョウなどをを食う。)
● 被食者、捕食者の個体数は、周期的に変動(振動)する(ただし両者の位相はずれている)傾向があることが知られている。
*実際に実験室でこの周期的に続く変動を再現するのは難しい(たとえば、安定な平衡状態になるか、振動のために捕食者または両者が全滅してしまう)。しかし、野外において、いくつか振動が起きた例は知られている(カナダにおけるオオヤマネコとカワリウサギの個体数の変動など。ただし、個体数の周期的振動が、捕食者と被食者の相互作用のみが原因である[他の要因は関係していない]とはっきり証明された例はない)。
● 高校生は「被食者の増減に少し遅れて捕食者が増減する」というイメージで捉えてよい。
● 捕食者と被食者の個体数の周期的な振動を細かく見ると、以下のような過程が繰り返されている。
①被食者が増え、それを食べる捕食者も増える。
②捕食者は増えていくが、被食者は食べられて減り始める。
③被食者の減少が続き、捕食者も減り始める。
④捕食者が減少し、被食者が増加を始める。
①へ戻る。
これを、動画のような丸いグラフで表現することができる(実際は、条件によってグラフの形は歪む。ふつうは綺麗な円にはならない)。
この現象は、以下のロトカ-ヴォルテラ式という微分方程式で表される(ロトカとヴォルテラが独立に導いた)。
dN1/dt=r1N1―c1N1N2 ・・・式1
dN2/dt=c2N1N2―d2N2 ・・・式2
被食者の個体数:N1
捕食者の個体数:N2
r1:被食者の内的自然増加率(正の定数)
d2:被食者のいない時の捕食者の減少率(正の定数)
c1:被食者が捕食者にとらえられることに関する正の定数
c2:捕食者が採餌によって増加することに関する正の定数
t:時間
dN1/dt、dN2/dt:それぞれ、被食者の個体数が変化する勢い、捕食者の個体数が変化する勢いのようなイメージ。
丸いグラフは、ロトカ-ヴォルテラ式のN1、N2について、その変化をグラフに表したものである。
*被食者が捕食者に捕食され減少する影響が式1の(-c1N1N2)に現れ、捕食者が増加する影響が式2の(c2N1N2)に現れている。
*捕食者によって被食者が食われる速度は、捕食者と被食者の両方に比例し、c1N1N2である(これは両者がランダムに出会った場合に、ある確率で食われるという仮定に基づく)。
*c2N1N2は、「捕食者は被食者を食べるほど増える」ということを表す。
*捕食者は、餌がない時は、飢えて死ぬので、減少率d2で減少する。
*式1、2の微分方程式について深く考える必要はないが、
「被食者がいないと(N1=0)、捕食者は減少し続け、絶滅すること(式2について、dN2/dt=負となりN2は減少を続ける)」
また、
「捕食者がいないと(N2=0)、被食者は増加し続けること(式1について、dN1/dt=正となりN1は増加を続ける)」
ことはわかると思う。
0:00 食物連鎖(食物網)
1:27 捕食者と被食者の個体数の変化
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