皆さんこんにちは。
皆さんは日々、自分の行きたい大学、いわゆる志望校に合格するために一生懸命勉強していると思います。
そんな中、日本を代表する大学として語られることが多いのが、東京大学(※以下東大)と京都大学(※以下京大)、の2校ではないでしょうか?
この日本を代表する2大学。「私、東大と京大、両方とも受験したい!」そう考える受験生もいるかもしれませんが、現在の受験制度上「物理的に東大京大のW受験は不可能」です。
しかし過去には東大と京大の両方を受験できた時代がありました。
今回は「東大・京大ダブル受験事件」について紹介します。
東大・京大W受験事件
そもそも現在の受験日程は、東京大学と京都大学の試験日が意図的に重なるように設定されています。
これは、両大学を同時に受験するのを防ぎ、志望校を一本に絞らせるためです。
ところが、1987年から始まった新制度では国立大学の日程が「A日程」「B日程」の2つに分かれました。
そして1987年と翌88年では、東京大学がB日程。京都大学はA日程と試験日がずれてたのです。そのため、受験生たちは「両方受けてみよう」と思えば、どちらも受験することが可能になったのです。
これに目をつけた秀才と進学校
この制度に目を付けたのが全国の進学校と予備校、そしてその生徒でした。
そして超名門校の生徒たちは、記念受験として東大と京大の両方を受けたり、「どちらかに受かるだろう」と東大と京大、両方出願するケースが急増しました。
広がる悪影響
このように選択肢が広がるのは良いことにも思えますが、ここに大きな問題が発生します。
東大と京大の両方を受験して両方に合格した場合、当然ながらどちらかを辞退しなければなりません。
ところが、両方受けた受験生があまりにも多かったため、東京大学・京都大学ともに辞退者が予想以上に大量発生することになりました。
特に東京大学では、辞退者数の読みが甘く、非常に遅いタイミングでの追加合格が頻発。
すでに別の大学に入学手続きを済ませたり、浪人を決意して予備校に通い始めた受験生に対して、突然合格通知が届くという人生設計を大きく揺るがす事態まで発生しました。
影響は他大学にも拡大
さらに影響は、東大・京大だけに留まりませんでした。
東大と京大をW受験した生徒の中には滑り止めとして、その他の旧帝大や早慶などの難関大学も受験し、倍率が急上昇。
本来なら合格していたはずの受験生が不合格となるケースも多発しました。
その余波は中堅私大や地方大学にまで広がり、大学受験全体が前代未聞の大混乱に陥りました。
まとめ
東大と京大のW受験を可能にした新制度は1990年に廃止されたため、現在は同じ年度に東大と京大の両方を受験することはできません。
皆さんの中には「東大と京大で迷っている」方もいるかもしれませんが、後悔のない選択をして欲しいなと思います。
最後までありがとうございました。









