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焼畑農業

焼畑農業

定義

森林を伐採し、木や草を燃やした後に残った 草木灰を肥料として用いる農業のこと。

主に熱帯雨林地域で行われており、

  • アマゾン盆地
  • 東南アジア
  • サハラ以南アフリカ

でよく見られます。熱帯雨林の経済的に遅れた地域の農業だと思ってもらえればだいたい合ってます。

主にキャッサバ、ヤムイモ、タロイモ、サバナ地域ではもろこし(ソルガム)等の雑穀が栽培されます。

特徴

焼畑農業の主な特徴は、

  • 草木灰を肥料とする
  • 移動生活を営む
  • 粗放的
  • 土地生産性・労働生産性が低い

焼畑農業の流れ

焼畑農業は、まず森林を伐採するところから始まります。森林を伐採し、土地を切り開いて、切り倒した木がその辺に転がっている状態になりますね。

そうなったら、その木や草に火を放ちます。火は切り倒された木や草を焼き尽くし、後には灰だけが残ります。この灰を肥料として使います。

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これで畑が完成しました。後は、簡単な棒を使って地面を耕し、作物を植えるだけです。これにて終了。後は何もしません。肥料をやることもなければ、灌漑設備で水やりをすることもありません。あまり手を入れないのが焼畑農業流です。

しかし、これでは地力が長期間持ちません。もともと土壌がラトソルで痩せているうえ、肥料を使うこともないので草木灰の養分もすぐに尽きてしまいます。焼畑農業は一般的な耕地の寿命が1~3年と言われています。

さて、土地の養分を使い切り、作物が育たなくなった土地をどうするか。

そう、捨てるのです。

農民はこの不毛の地と化した元耕地を捨て、新天地を求め新たな場所に旅立ちます。そして、新しい場所でまたさっきと同じことを繰り返すのです。

そして、ここからが焼畑農業のすごい所なのですが、この捨てられた土地には自然と草木がまた生えてきて、元の森林に戻るのです。これには約20年ほどかかると言われています。

すると、それを見計らって農民たちはそこに戻ってきて、また森林を伐採し、草木を焼き払い、畑を作るのです。つまり、農民は土地を変え、ぐるぐる回って循環しているのです。

実は経済合理性の高い焼畑農業

冒頭で、「経済的に遅れた地域でよくある農業」と述べました。間違ったことは言っていないのですが、だからと言って焼畑農業が原始的で遅れた非効率的な農業だと言っているわけではありません。実は焼畑農業はけっこう合理的で優れた農業形態なのです。

一つ目に、経費がほぼゼロという点です。焼畑農業では草木灰を肥料として用い、肥料を投下しないため肥料代がかかりません。灌漑設備もなければ農薬の使用もなく、特別な農具や機械も用いないため本当にお金がかからないのです。また、草木灰はアルカリ性ですから酸性であるラトソルを中和する役目も果たしてくれ、熱帯地域の肥料に適しているのです。

二つ目に、焼畑農業は持続可能な農業であるという点です。上で既に解説したように、地力の低下した土地は放棄され、森林が回復してからまた耕地として利用されます。結果として森林破壊につながることはなく、言ってみれば環境に優しい農業なのです。というか、焼畑農業が持続的でないのならばアフリカで何千年も続いていません。

近年の焼畑農業の問題

近年の熱帯雨林の減少の原因の一つに焼畑農業が挙げられているのはご存じでしょうか。さっき「焼畑農業は環境にやさしい」と言ったばかりなのに何事かと思われるでしょうが、これは焼畑農業の形態が近年変化しつつあることが背景にあります。

近年、焼畑農業が営まれている地域でも人口が増加し始め、食糧増産のためにさらに広い農地を確保する必要に迫られています。その結果、森林が回復しきる前に再び火入れをして耕地にしてしまうという例が増加しているのです。こうなると、地力がどんどん低下してしまい最終的には森林が再生しなくなってしまいます。

実は、熱帯雨林の回復というのは通常の森林回復よりも格段に難しい作業です。熱帯雨林は土壌が貧弱で養分が少なく、土の層も非常に薄いためスコールで簡単に流されてしまいます。また赤土のラトソルは熱帯の厳しい直射日光を浴びるとカチコチに固まってしまい(ラテライト化)、植物の生育自体が困難になってしまうのです。

以上のような理由から、近年は非持続的な焼畑農業による森林面積の減少が大きな環境問題となっていますので、押さえておきましょう。

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