放射線とは
ウラン やラジウム など、天然に存在する原子核の中には不安定なものがあり、それらの原子核は自然に別の原子核に変わっていく。
その際、放射線と呼ばれる大きなエネルギーを持つ電磁波を出す。
この現象を放射性崩壊と呼び、自然に放射線を出す性質を放射能という。
放射性崩壊には、 崩壊、 崩壊、 崩壊の3種類がある。この用語では、 崩壊について見ていくが、他の用語も見てまとめて押さえておこう。
崩壊
エネルギー準位の用語で解説したように、原子はとびとびのエネルギーの値をもち、
- エネルギーが最も低い状態である基底状態
- 基底状態よりエネルギーが高い状態である励起状態
の状態があるが、原子核も同様にとびとびのエネルギー準位が存在する。
崩壊や 崩壊で次々に生じていく原子核は、励起状態にあることが多く、その場合そのまま次の 崩壊や 崩壊に移るのではなく、同じ原子核のまま、よりエネルギーの低い状態に移っていくことがある。
このとき、差の分のエネルギーが電磁波として放出される現象を 崩壊という。
単に電磁波が出るだけなので、他の放射性崩壊と違って
ことを押さえておこう。
崩壊の際に出される放射線を 線と呼ぶ。
他の放射性崩壊と違って、電荷も帯びていない点に注意しておこう(磁場からのローレンツ力も受けない)。
放射性崩壊まとめ
他の 崩壊、 崩壊とのまとめ表は以下の通り。

また、放射性崩壊後の原子核も不安定である場合が多く、下の図のように安定な原子核になるまで 崩壊や 崩壊を繰り返し、新しい原子核に変わっていく。
下の図の横軸は質量数、縦軸は原子番号であり、
- 左上から右下に変化する=質量数も原子番号も ずつ減るのが 崩壊
- 下から上に変化する=質量数は変わらず原子番号が 増えるのが 崩壊
に対応している。
崩壊は、質量数も原子番号も変わらず、その原子核のまま自然にエネルギーの低い状態に移っているだけなので、この図の中では動きとしては現れていない。

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