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モノカルチャー経済


簡単なまとめ

特定の一次産品の生産・輸出に依存する経済のこと。

アフリカラテンアメリカに多くみられる。

生産量や市場価格に国の経済が大きく影響されるため、安定的な経済成長がしづらいという悪影響がある。

モノカルチャー経済

英語ではmonoculture economyと言います。monoは「単一」、cultureは「耕す、(作物を)栽培する」という意味がありますから、monocultureは「単一作物栽培」という意味になります。転じて、monoculture economyは

特定の一次産品に依存する経済

を意味するようになりました。

大事なのは二点あります。

  • 単一の
  • 一次産品

特に、一次産品というのが大事な要素です。

一次産品とは、農作物鉱物など、自然から採ってきたままで、未加工の状態のものを言います。鉄鉱石や原油、小麦、トウモロコシなどが当てはまります。逆に、鉄鋼やガソリン、小麦粉、バイオエタノールなど、自然からとってきたものを加工して作ったものは一次産品ではありません。

モノカルチャー経済の国

モノカルチャー経済の国はアフリカラテンアメリカに多く見られます。主に近代以降、欧米列強の植民地支配を受けた国です。(アフリカのモノカルチャー経済については、この動画も見てみてください)

植民地では、本国に安い資源を供給するために商品作物や食料を効率的に生産できるプランテーションが開かれたり、鉱山が開発されたりしました。

この経済構造が現在まで残り、モノカルチャー経済となっているのです。

弊害

モノカルチャー経済は、安定的な経済発展に悪影響を与えます。この理由は、

  • 単一の商品に依存・・・その商品の市場動向に左右される
  • 一次産品は世界市場において均一的に評価される傾向が強い

からです。

単一の品目に依存

単一の品目に経済を依存していれば、その商品が売れれば好景気になり、売れなければ不景気になります

なぜこれが問題なのかというと、経済の見通しが立てにくく、その結果安定的な経済成長を妨げるからです。

商品の価格は需要と供給、つまり世界の景気生産量で決まります。

世界の景気は不安定ですし、生産量も正確にコントロールすることはできません。

特に農産物は天候などの影響を強く受け、収穫量が大きく変動する品目です。

ですから、単一の一次産品、特に農作物に経済を頼ると、経済が不安定となりやすくなってしまうのです。

一次産品の特性・・・グローバルな市場

一次産品は、世界市場で均一的に評価され、世界全体で取引される傾向が強いという特徴があります。

どういうことかというと、例えば小麦で考えてみると、小麦はどこ産なのか、アメリカ産なのかオーストラリア産なのかロシア産なのかフランス産なのか、産地がどこであったとしても同じ市場で取引されます

一次産品は品質で差別化することが難しく、よほどのブランド品でない限り同じ市場に載せられて評価されます。自動車のような工業製品は、機能や性能、耐久性など様々な基準で評価することができるのですが、農作物、例えば小麦であれば、どこ産の小麦でも似たようなパンは作れるわけで、したがって小麦の評価基準は価格くらいしかないわけです。

差別化しにくいというのはかなり致命的な問題です。自分の努力で収益性を高めることが難しく、また差別化できなければ簡単に他に代替されてしまうからです。

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