三頭政治
概要
古代ローマにおいて「内乱の1世紀」を収めた私的な政治同盟。
カエサルらの第1回とオクタウィアヌスらの第2回がある。
私的な政治同盟のため、元老院とは対立していた。
まとめ→ローマ、オリエントと地中海世界
時代
前60年〜前31年
場所
詳細
元老院中心の伝統的政治体制が揺らぎ「内乱の1世紀」に突入したローマに対処したのが、クラッスス・ポンペイウス・カエサルの三人による前60年からの第1回三頭政治でした。
軍事的功績により政権を握った彼らでしたが、ガリア遠征によりカエサルが力をつけると対立し、他の二人を退けて一人で天下を統一します。
ユリウス暦の導入など積極的な改革を行い、社会の安定化に努めます。
しかし依然対立していた元老院派のブルートゥスらによって暗殺されます。
カエサルの部下、アントニウス、レピドゥスとオクタウィアヌスによりその元老院派は鎮められ、第2回三頭政治が行われます。
ですがオクタウィアヌスは残る2人と対立し、これを倒したことで平定され、アウグストゥスと名乗ったオクタウィアヌスによる帝政が始まります。
プトレマイオス朝のクレオパトラ7世と結んだアントニウスとの前31年の戦いをアクティウムの海戦と呼びます。
補足
カエサルを暗殺した元老院派の一人、ブルートゥスは、彼の親友だったとされています。
暗殺団の中に彼を見つけて洩らしたとされる「ブルートゥス、お前もか」のセリフはとても有名ですね。
この悲話はシェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』にも描かれています。
補足の補足
ジュリアス・シーザー、と聞いて「?」となった方、鋭いです。
カエサルのスペルは「caesar」で、英語読みでは「シーザー」なんですね。
さらに彼の導入したユリウス暦の「ユリウス」のスペルは「Julius」で、英語読みだとジュリアス、になります。
ちなみに、シーザーサラダの「シーザー」はカエサルのことではなく、開発したメキシコのレストランのオーナーの名前に由来しているそうですよ。