南米の自然環境には、特有の名前がついていることが多い。
この項ではそれぞれについて解説していく。
(国土地理院 標準地図をもとに筆者編集)
オリノコ川流域に広がる熱帯草原(サバナ)。
長草草原と疎林が広がる。
アマゾン川流域の熱帯雨林。
「セルバ」はスペイン語・ポルトガル語で「熱帯雨林」という意味の一般名詞なので、とくに特殊な用語というわけではない。
どちらも、ブラジル高原に広がる熱帯草原(サバナ)のこと。
正確には違うのだが、高校地理の段階では、
と覚えておけば十分。
「カンポセラード」(カンポ・セラード)という言葉も習うかもしれないが、これは植生・生態系の名称であり、草原のなかにまばらに木が生えているサバナ的な植生を指す。地域の名称ではない。
混乱しそうな場合は、カンポセラードは覚えなくてもよいだろう。
ブラジル南端~アルゼンチンに広がる温帯草原。
極めて肥沃で、農業が盛ん。
降水量によって
に分かれる。
詳しくはパンパの項を参照。
ボリビア~アルゼンチンに広がる熱帯草原(サバナ)。
長草草原と疎林が広がる。
だいたい南緯40度以南の地域のこと。地域名であり、自然環境の名前ではない。
アンデス山脈の東側だけをパタゴニアと呼ぶという誤解がよくみられるが、西側(チリ側)もパタゴニアに含まれる。
アンデス山脈を境に、
といった違いがある。
アンデス山脈より東側は、偏西風に対してアンデス山脈の風下となり、雨陰砂漠となる。
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