の3つの宗教の聖地となっている。
エルサレム旧市街は4つの地区に分けられ、宗教ごとに別れて人々が暮らしている。それぞれの地区には各宗教の聖地が存在する。
イスラエルは、エルサレムが首都であると自称している。
これはあくまで「自称」であって、国際的には承認されていない。多くの国は、テルアビブを一応の首都と認定している。
これは、宗教的に特別な意味をもつエルサレムを首都にしてしまうことによって政治的対立が起こることを防ぐという意味がある。
2017年には米国のトランプ大統領がエルサレムを首都と認定し、国際的に大きな反発を呼んだ。
エルサレムにはイエスが磔刑に処せられたゴルゴタの丘、イエスの墓があり、そこに聖墳墓教会が建てられている。
イエスの亡くなった場所であるから、当然キリスト教徒にとっては極めて重要な土地である。

預言者ムハンマドは、エルサレムで昇天したとされる(エルサレムで没したわけではなく、実際にはメディナで亡くなった)。
ムハンマドが昇天したとされる場所には岩のドームが建てられ、世界各地からムスリムが巡礼する。

先述の「嘆きの壁」というのは古代に建てられたユダヤ教の神殿の外壁の一部。
神殿はローマ帝国との戦争によって破壊され、壁の一部だけが残った。その壁が現在の「嘆きの壁」である。
この戦争での敗北はユダヤ人にとって最大の悲劇であり、ディアスポラの原因ともなるなど歴史的意味が大きい。世界史でも習ったかもしれない。
ユダヤ教徒は、嘆きの壁に額をつけて祈りをささげる。

アルメニア人街区については、高校範囲を超えるので授業で扱われることはない。しかし、授業で何も掘り下げられないものにこそロマンを覚えるのが地歴ファンの性というもの。
アルメニア人街区というのはアルメニア正教会にとって非常に重要な聖地で、アルメニア正教会のエルサレム総主座が置かれている。アルメニア人は古代から商人としてエルサレムに居住しており、歴史が非常に深い。
アルメニア正教会というのは、カルケドン公会議で異端とされた単性論をとる非カルケドン派の教会であり(アルメニア教会自身は単性論ではないと主張している)、主流のキリスト教と異なる歴史を歩んできたことから、独自の街区が形成されているのである。
非カルケドン派の詳細についてはこちらを参照。
関連動画