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教育関係者の「ほめて育てよう」とか「肯定的な言葉がけが大事」とか「はやくしなさいと言ってはダメ」とか、僕はそういうのを信じてません。いや、だからと言ってもちろんスパルタ教育推奨でもないです。
仕事柄お金持ちの家の生徒さんと接することが多いのですが、もちろん全員ではないですが、少なからず、ドラえもんでいうところの「スネ夫」や、クレヨンしんちゃんでいうところの「かざま君」のようなタイプの生徒がいます。面談や電話など生徒の親と接することも多いので、スネ夫やかざま君のような生徒がどのような育てられ方をしているかというと、基本過保護過干渉です。また、僕自身が大学生の頃にアルバイトしていた学習塾で指導していた生徒たちは、結婚して子供を育てている人も多い反面、引きこもりもいます。本人には自分が引きこもりだという自覚がないみたいですが、そういう元生徒の親は、僕が指導していた当時からとんでもなく過保護でした。
スネ夫やかざま君の親のように肯定的な言葉がけばかりで育てられたことの何が悪いかというと、自分は特別な人間だと思ってしまうところにあります。過保護に温室で育てられた高校生に限らず、成績の良い優秀な(この授業について来れるような)生徒にも、自分は特別な人間だと思っているふしがあります。断言できるのは、あなたも僕も、ただの雑魚キャラです。ポケモンでいうところの草むらに出てくるコラッタです。その辺の公園にいるアリンコです。色違いの伝説のポケモンではありません。
その事実に気づくと、のび太の親や、しんちゃんの親が良い親だよね、国民的キャラクターの主人公はのび太やしんちゃんで誰も異論がないのが理解できるのではないでしょうか。
別に特別ではないよと教えるのも親や教師の役目だと思っております。
また、「はやくしなさいと言ってはダメ」という教育論に違和感がある理由についてですが、僕は99.9%の人間はやっぱり自制心がないと感じます。大人だってダイエットは失敗するし、給料というエサや、上司や会社の圧、世間体という強迫観念などの強制力があるから毎朝遅刻せず起きられるのであって、休日同じように効率よく時間を過ごせる人はほとんどいません。これを読んでいる人も自分の立てた計画通りに勉強することがいかに難しいか知っているはずです。
要するに、人は他人に強制されない限りなかなか自ら動き出せない生き物なわけです。
大人があの手この手の強制力がないと動けないのに、子供にはネガティブな声掛けはよくない、いいイメージを持たせて自主的に動けるように声掛けをしましょうって綺麗事でしかないでしょ、と思うのは僕だけですかね?
まあ、僕は子供に「はやくしなさい」とはあんまり言わないですけど。「どんどん遊ぶ時間が減ってるけどいいのね?」という言い方をよくします。
後半はほとんどの人間には自制心がないと認めた前提でどうするかを考えるべき、という話でした。