【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
浸透圧について講義します。
語呂「赤いよう(赤血球破裂、溶血)」
語呂「カエルのロゴ、引く(両生類の生理食塩水は0.65%、ヒトは0.9%)」
浸透圧の発展講義
• 植物細胞と浸透圧 高校生物発展
●細胞膜は、半透膜に近い性質をもつ(もちろん実際はただの半透膜ではなく、種々の輸送タンパク質をによって物質の出入りを調節しており、選択的透過性をもつ)。
*半透性:溶媒および一部の溶質は通すが、他の溶質は通さない性質。
*半透膜:半透性をもつ膜(イメージとしては、小さな穴の空いた膜。水分子[ふつうは溶媒]などの小さな物質は通すが、大きな物質は通さない)。
*全透性:溶媒と溶質の両方を自由に通す性質。
*全透膜:全透性をもつ膜。細胞壁は全透膜の性質を持つ。
●細胞が破裂し、細胞質などが細胞外に飛び出ることを原形質吐出という。赤血球の原形質吐出は溶血とよばれる。(正確には、溶血は、赤血球膜が破れたり、多数の穴が生じ、ヘモグロビンが流出する反応を指す。溶血反応とも呼ばれる)
●半透膜(小さな穴、詳しく言うと、水分子は通すが、溶質分子は通れないような穴が、多数開いている膜)を挟んで、濃度の異なる溶液(溶質濃度が濃い溶液と溶質濃度が薄い溶液の間に半透膜がある状況)が存在するとする。溶質がたくさんあるほうの溶液(濃い溶液)では、溶質に邪魔されて、水分子の動きが制限される(おすもうさんがたくさん乗っている満員電車車内で、あなたが動きにくくなるのと同じ)。
逆に、溶質分子が少ない溶液(薄い溶液)では、水分子が自由に動き回る。
結果、濃い溶液から薄い溶液に水分子が移動する確率は小さく、薄い溶液から濃い溶液に水分子が移動する確率は大きくなる。これが、半透膜を挟んで薄い溶液から濃い溶液に水分子が移動する理由である。
ちなみに、サメなどの軟骨魚類は、体液に尿素を溶かすことで脱水を防ぐ(体液の浸透圧を上昇させている)。
問題:人の細胞と同じくらいの塩類濃度の溶液(生理食塩水)の塩類濃度は0.9%である。では、塩類濃度2.0%の溶液に人の赤血球を入れるとどうなるか。
答え:水が抜け、収縮する。
問題:膜につつまれた細胞小器官を正常に近い状態で取り出す実験(細胞分画法など)を、等張~やや高張液中で行う理由は何か。
答え:細胞小器官が吸水して破裂するのを防ぐため。
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