キューバ危機

概要

「戦いのない戦争」である冷戦での、実際に米ソ対立が危機となった出来事。

革命によって親米派政権が倒れたキューバを支持し、ソ連がミサイル基地を設置しようとしたことをアメリカが阻止しようとして起こった。

ミサイル基地は撤去され、核戦争は未然に防がれた。

流れ→冷戦、戦後秩序の形成

時代

1962年

場所

詳細

冷戦中の1959年にキューバで、親米派のバティスタ独裁政権がカストロ、ゲバラによって倒されるキューバ革命が起こると、アメリカのアイゼンハワー大統領は国交を断絶します。

それによりカストロが親ソ的な態度を強めました。

対するアメリカではケネディが政権を引き継ぐと、「進歩のための同盟」を結成して他のラテンアメリカ諸国への革命の波及を防ごうとしました。

カストロ政権はアメリカの圧力に対抗するため、62年にソ連からの援助でミサイルの建設計画に踏み切ると、アメリカは海上封鎖で対抗し、核戦争の危機が一挙に高まりました。

ソ連のフルシチョフはこれを受けてミサイル基地の撤去に合意し、翌63年には地下を除く核実験の禁止を定めた部分的核実験禁止条約が成立し、米ソ間にホットラインと呼ばれる無線電話が引かれました。

平和共存路線が拡大中であっただけに世界の緊張感が一挙に高まる事件でしたが、緊張緩和(デタント)の模索を進められた結果となりました。

ソ連のこの態度は東側陣営に少なからず失望を与え、キューバは第三世界との連携を強め、中ソ対立も始まることとなります。