「けん化」とは、

酸触媒を使ったエステルの加水分解は可逆反応でしたが、塩基を使ったけん化は不可逆反応になります。エステル化はカルボン酸+アルコールで起こりますが、塩基があるとカルボン酸が中和してしまい、材料のカルボン酸がなくなってしまうからです。

よって、構造決定の問題などでエステルをばっちり分解したいとき、大抵けん化が使われることになります。
エステル中のカルボニル基

すると一瞬

最後に、本来なかなか電離しないはずのアルコールが電離した形なので、普段から電離できるカルボン酸から

酸触媒を使ったエステルの加水分解では、分解後の生成物がそのままエステル化の材料なので可逆反応です。一方、けん化の生成物はカルボン酸塩なので、エステル化を起こせずに不可逆反応になります。
油脂の多くは自然界から手に入り、グリセリンと高級脂肪酸(*補足3)のエステルになっています。そんな油脂をけん化することで得られる高級脂肪酸塩が「セッケン」です。

高級脂肪酸塩は、長い炭化水素部分が極性が小さい疎水基、カルボン酸イオン

つまり、分子の片側は油にくっつきやすく、もう片側は水にくっつきやすいということです。この性質により、油汚れに高級脂肪酸塩がぶっ刺さりまくることで、油と水が混ざるようになります。

より詳しい話は「セッケン」の辞書を確認してみましょう。
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