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けん化

概要

「けん化」とは、などの塩基でエステルを分解する反応のこと。油脂(エステル)をで分解することでセッケンを作れることから「せっけん化」みたいな名前の反応になっています。

けん化_1.jpeg

酸触媒を使ったエステルの加水分解は可逆反応でしたが、塩基を使ったけん化は不可逆反応になります。エステル化はカルボン酸+アルコールで起こりますが、塩基があるとカルボン酸が中和してしまい、材料のカルボン酸がなくなってしまうからです。

けん化_2.jpeg

よって、構造決定の問題などでエステルをばっちり分解したいとき、大抵けん化が使われることになります。

詳細

けん化の仕組み

エステル中のカルボニル基は、電気陰性度が大きい酸素のせいで極性が生じています。そこにマイナスの水酸化物イオンがバコーンとぶつかります。

けん化_3.jpeg

すると一瞬がくっついてしまって、結合がよくわからん形になります。しかし流石に不安定ということですぐに分解してしまいます(*補足1)。

けん化_4.jpeg

最後に、本来なかなか電離しないはずのアルコールが電離した形なので、普段から電離できるカルボン酸からを受け取って反応が完成です(*補足2)。

けん化_5.jpeg

酸触媒を使ったエステルの加水分解では、分解後の生成物がそのままエステル化の材料なので可逆反応です。一方、けん化の生成物はカルボン酸塩なので、エステル化を起こせずに不可逆反応になります。

セッケン

油脂の多くは自然界から手に入り、グリセリンと高級脂肪酸(*補足3)のエステルになっています。そんな油脂をけん化することで得られる高級脂肪酸塩が「セッケン」です。

けん化_6.jpeg

高級脂肪酸塩は、長い炭化水素部分が極性が小さい疎水基、カルボン酸イオンは親水基となっています。

けん化_7.jpeg

つまり、分子の片側は油にくっつきやすく、もう片側は水にくっつきやすいということです。この性質により、油汚れに高級脂肪酸塩がぶっ刺さりまくることで、油と水が混ざるようになります。

けん化_8.png

より詳しい話は「セッケン」の辞書を確認してみましょう。

補足

  • (*補足1)元々割り込んできたのはだから、が外れてしまうこともあります。その場合はまた振り出しに戻るだけですね。確率的にアルコール側が外れることでけん化が起こります。
  • (*補足2)塩基のアルコキシドイオンとカルボン酸が中和反応を起こしたということです。もちろん現実的には、カルボン酸とが中和を起こし、アルコキシドイオンは水と中和を起こす、という場合の方が多いかもしれません。しかし反応の結果としては同じですね。
  • (*補足3)高級脂肪酸とは銀座に売ってそうな黒毛和牛の油とかではなく、炭素数が多いカルボン酸のことです。たとえば、ステアリン酸など。

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