
※「活用語」とは、動詞・形容詞・形容動詞・助動詞のこと。
※終止形と連体形は「けん」と書かれることもある。
活用はしょぼいのに意味がたくさんあるという、アンバランスな助動詞。
例文:あれは、ただ人にこそはありけめ。(枕草子)
訳文:あれは、普通の人であったのだろう。
※「こそ」+已然形の係り結びの法則に注意。
例文:などか習はざりけん。(徒然草)
訳文:どうして習わなかったのだろうか。
訳文:向かひゐたりけんありさま、さこそ異様なりけめ。(徒然草)
訳文:向かい合ったような様子は、さぞかし変なものであっただろう。
※最後の「けめ」は過去推量の意味。
例文:かの池にありけむ鵄は、実の鵄にはあらじ。(今昔物語集)
訳文:あの池にいたとかいうトビは、本当のトビではないのであろう。
過去原因推量は、「など」「いかで」などの疑問詞や、疑問の係助詞「や・か」などを伴って用いられることが多い。
過去婉曲や過去伝聞は、連体形(けむ)でしか用いられない。あとは意味で判別しよう。
現在推量の「らむ」の過去形みたいな感じなので、合わせて押さえておこう。接続が異なるので注意。
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