まずはこの文を見てください。
She told me to look for her wallet.
(彼女は私に財布を探すように言った)
このように、第5文型(SVOC)で目的語(O)の後の補語(C)に動詞をおくときには、不定詞(to do)を用いるのが基本です。
しかし、make, let, have については、補語(C)に動詞をおくときに不定詞(to do)ではなく原形(do)でおく用法があります。
それぞれ「〜に〜させる」みたいな意味を持つので、これらをひとまとまりにして使役動詞と呼びます。
まずは意味を押さえておきましょう!
My boyfriend made me wait outside the store for over an hour.
(私の彼氏は、店の外で私を1時間以上も待たせた)
ひどい彼氏ですね。
原形以外にも、make と have については目的語の後の補語として 過去分詞 もきます!だんだんややこしくなってきましたね。
Can you make yourself understood in a munute?
(あなたは1分以内に自分の意思を伝えられる?)
I had my hair cut yesterday.
(昨日髪を切ってもらった)
※ この cut は過去分詞です
原形を使うときと過去分詞を使うときの違いはなんでしょう?
正解は、目的語が「〜する」と能動の意味のときは原形、目的語が「〜される」と受動の意味のときは過去分詞、となります!
上の文では、
となっています。過去分詞の用法を知っていれば納得ですね。
let の後は基本的に目的語+原形のみです。
同じように、第5文型の補語に不定詞を取らない仲間の、知覚動詞の用法も一緒に押さえておきましょう!
さて、ここまでで基本的な内容は終わりなのですが、使役動詞を受動態にすると、実は原形の部分が不定詞になります。奇妙ですよね、僕もそう思います。
よく問われるので是非ここまで押さえておきましょう。

ちなみに、使役動詞のうち受動態で使われるのは、基本的に make のみです。
なんで make, let, have については、第5文型の目的語の後の補語として不定詞を使わないのでしょうか?
まずは、不定詞を使う側の動詞を考えてみましょう。
He adviced me to go to university.
(彼は私に大学に行くよう勧めた)
to は、前置詞の意味で考えればわかるように 「働きかけがあって、どこかからどこかへ到達する」 イメージです。
上の例文ですと、私を大学に行く状態に到達させようとして、アドバイスという働きかけをしているわけです。なので、to を用いた不定詞がぴったりです。
しかし、make, let, have については少し状況が異なります。make は強制ですし、let はやるかやらないかは自由、have もそれをやるのが当然の相手に依頼するときに使うので、あまり到達させようとする働きかけはありません。
なので、to の意味と合わず、to を取って原形を用いている、とイメージしておけば納得できます!
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