比較級
比較は2つの文の合体!
「彼は私より頭が良い」みたいに、何かと何か(誰かと誰か)の差を伝えたいときに、比較級を使って文を作ることができます。
例えば「彼は私より頭が良い」だと、まずは、彼についても私についても比較抜きの文を作ってみましょう。
He is smart.(彼は頭が良い)
I am smart.(私は頭が良い)
そして、smart を比較級 smarter にして、比べる相手(ここでは私)の文の最初に than をおいてくっ付ければ、比較級による比較の文っぽいものが完成しちゃいます。
He is smarter
than I am smart
→(合体!) He is smarter than I am smart.
ただし!注意点が2つあって、
- 比べる軸となるもの(ここでは smart)は、2つ目の文から削除しないといけない。
- 1つ目の文と共通していて、無くても誤解を与えないような要素(ここでは am)は、2つ目の文から省略できる(あってもOK)
なので、これらを踏まえると、「彼は私より頭が良い」という文は
He is smarter than I (am).
となるのです。意外と余裕です。
※ I で終わるのは気持ち悪いということで、口語では、than の後が目的格の me になったりします。
否定・強調
比較級の否定
比較級の前に not を付けると、「〜より...ということはない」と否定できます。
He is not smarter than I.
(彼は私より頭が良くはない = 私は彼以上に頭が良い)
また、less + 原形 を使うと、比較の意味がひっくり返って、「〜ほど...でない」となります。
He is less smart than I.
(彼は私ほど頭が良くはない = 私は彼よりも頭が良い)
<発展>
ちなみに、この2つの意味の違いに気づけましたか?比較級が「A>B」という意味を表すのに対して、not による否定は、打ち消すので 「A≦B」、less + 原形 による比較は、ひっくり返るので 「A<B」 という意味になるんですね。細かいですけど...
比較級の強調
2つのもの(人)の間の差が大きいときとか小さいときとか、差を具体的に表したいときは、全て比較級の前に語句を置けばOKです。
He is much [far] smarter than I.
(彼は私よりずっと頭が良い)
He is a little [a bit] smarter than I.
(彼は私より少しだけ頭が良い)
He is three years older than I.
(彼は私より3歳年上だ)
※ 「much [far]」というのは、much でも far でもOKという意味です!
何と何を比べるか
少し上級者向けになるのですが、よく比較の文法問題で聞かれるテーマがあります。それが...
比較が比べるものは、同じようなもの同士じゃないとダメ!
という鉄則です。ちょっと何言ってるかわからないですね...
例えば下の文を見てみてください。
The population of China is larger than Japan.
(中国の人口は日本よりも多い)
これ英語としては間違いなのですが、日本語だと一見して意味通ってそうですよね。
でも、比較が比べているものを抜き出すと、
- The population of China
- Japan
の2つで、「中国の人口」vs「日本」というチグハグなものを比べてしまっています。
この辞書の最初の「比較は合体だ!」というところで見た通り、これだと元の文が
- The population of China is large.
- Japan is large.
であることになってしまって、2つ目の文が「え?日本が大きい?面積のこと?」と意味わからなくなりますよね。
実は英語では、「中国の人口」vs「日本の人口」というように、比較するものを同じ属性(ジャンル)に揃える必要があります。つまり、
The population of China is larger than the population of Japan.
(中国の人口は日本の人口よりも多い)
が正しい英文になります。しかしこれではくどいので、
- the + 単数名詞:that
- the + 複数名詞:those
というルールで置き換えて、
The population of China is larger than that of Japan.
(中国の人口は日本の人口よりも多い)
でビシッとした正しい英文の完成です!
比較級のいろいろな表現
長文を読む上で大事になる、いろいろな比較級の表現を押さえておきましょう。