「金属結合」とはその名の通り、金属元素同士が作る結合のこと。電子が好きじゃない(電気陰性度が小さい)金属が集まっているから、最外殻電子が放り出されて自由電子になっています。

自由電子があることで金属結晶は、
などの性質を持ちます。
原子はオクテットの状態が安定であり、電気陰性度の小さい金属元素は最外殻電子を他人に押し付けたがります。そんな金属たちが集まると、みーんな電子を押し付けあうけど結局誰も電子を受け取らず見て見ぬ振り状態になります。

このようにして結果的にたくさんの原子でたくさんの自由電子を共有する結合が金属結合です(*注1)。
(1)電気・熱伝導性が高い
自由に動ける電子がいるので、電圧をかけると自由電子が移動して電流が流れます。また、電子の運動エネルギーという形で熱も伝わりやすいです。
(2)金属光沢がある
金属に光沢があるのは日常生活でもよく体感しますね。仕組みは超難しいですが、かなり雑にいうと自由電子にはあらゆる光を反射する能力があるから、という感じです(*注2)。
(3)展性・延性がある
展性は叩いたりして圧縮すると変形する性質、延性は引っ張ると変形する性質です。たとえば、金を叩いて伸ばした金箔・銅を引き伸ばした銅線・鉄を叩いて作る日本刀などは展性・延性が利用されています。
きっちりと原子間で電子を共有する共有結合やクーロン力でガチっと固まるイオン結合と違い、たくさんの原子がたくさんの電子を共有する金属結合では、多少原子の位置がずれても問題ありません。だからバキっと割れたりせずに伸びたり広がったりできるわけです。

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