概要
数列を初めから第 項まで足してできる数()を並べた数列のことを 「級数」という。言葉ではよくわからないので、例で確認しよう。
例えば簡単な数列 を考えると、
- 級数の第 項は、もとの数列の初めから第 項まで足したもの、つまり
- 級数の第 項は、もとの数列の初めから第 項まで足したもの、つまり
- 級数の第 項は、もとの数列の初めから第 項まで足したもの、つまり 、・・・
となっていき、このように 級数自体も数列() になる(ここがややこしい!)。
級数も数列なので、 「級数の収束・発散」 というものを調べることができる(例えば、上の級数は収束しないので、発散する)。
特別に、元の数列が等比数列であるとき、その数列から作られる級数を無限等比級数、または単に等比級数という。
この 無限等比級数の収束・発散(つまり) を調べようというのが、ここでのテーマ。やっと本題に入ってきた。長いツカミは嫌われるので注意せねば。
元の等比数列の初項を 、公比を とおくと、
の場合:
数列の項は全て になるので、 となり、 。
の場合:
のとき は収束し、極限値は (つまり元の等比数列を無限に足していった数は、この値に収束する)
or のとき は発散する。
のとき は発散する。
よってまとめると、この無限等比級数 は、
例
【問】 の等比級数は収束するか?発散するか?収束する場合は、収束する値を求めよ。
【答】これは初項 、公比 の等比数列の級数なので収束し、値は
と計算できる。
補足
元の等比数列が初項 、公比 であるとき、その無限等比級数を「初項 、公比 の無限等比級数」と表現することもあるが、無限等比級数自体が等比数列になっているわけではない点に注意。