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素反応

概要

「素反応」とは、粒子の衝突などにより一発で起こる反応のこと。裏返すと実は、化学反応は単純に一発で起こらないものも多く、そんな反応を超スローモーションで見ると何段階かの素反応によって起こっていたりします。

素反応_1.png

詳細

素反応と複合反応

化学反応の多くは、途中で不安定な中間体を経由しながら、多段階の反応を起こすことで1つの反応となっています。このときの1段階ずつを「素反応」といい、素反応の組み合わせによって起こる反応が「複合反応」です。

料理に例えるなら、普段よく見る化学反応式は材料と料理名だけを書いたものだけど、実際には材料を切って・味付けして・焼いて・盛り付けるという素反応の組み合わせで料理ができている、的な感じです。

素反応_2.png

化学の話に戻して具体例を考えると、たとえばという反応は分子と分子が衝突して一発でができる反応ではなく、ざっくり以下のような段階で起こる反応です。

素反応_3.png

(※その他、いろんな素反応が起こる) もちろん素反応がどうなっているかを目で見て判断することはできないので、どんな素反応の組み合わせが起こっているかについては、いろんな実験から推定されるような難しい研究対象です。

反応速度との関係

結論からいうと、反応速度式の反応次数が実験しないと求まらないのはこの素反応が原因です。

素反応_4.png

まず素反応の反応速度式の反応次数は、反応式の係数などから求まります。たとえば先ほどのを例に考えましょう。素反応はが光エネルギーを吸収して分解するだけなので、反応速度は単純に濃度に比例します。よって反応速度は、反応速度定数をとすると以下の通りです。

また素反応はとが衝突して起こり、衝突確率はそれぞれの濃度、に比例します(*注1)。よって反応速度は、反応速度定数をとすると以下の通りです。

さて、という反応は以上+その他の素反応からなり、全体の反応速度は素反応の反応速度の合計になるイメージです。しかしたとえば、が他に比べて格段に起こりにくいとしましょう。このとき、に時間がかかるけど他の反応は一瞬で起こるので、全体の反応速度はに依存してとなります。この場合、反応速度はのみに依存します。

一方、たとえばが他に比べて格段に起こりにくいとしましょう。すると同様に、どんなに他の反応が起こっても結局こいつに時間がかかってしまうので、全体の反応速度はに依存してとなります。この場合、反応速度はとに依存します。ただしはに比例するので、はとに依存する、と言っていいでしょう。

以上から、前者の場合なら、後者の場合ならのように表せそうです。このように素反応のスピードの大小で全体の反応速度が変わるため、複合反応では実験によって反応次数を決めるしかないということになります。

ちなみに、素反応の中で最も反応速度が小さい段階のことを「律速段階」といいます。律速とは英語で言えば"ボトルネック"。以上の例で説明した通り、複合反応のスピードはこの律速段階のスピードに支配されることになります(*注2)。

補足

  • (*注1)たとえば気体分子が存在する空間を、チェス板のような平面で考えてみましょう。チェス板には個のマスがあり、それぞれのマスに気体分子が入り、別の分子が同じマスに存在する=分子が衝突したと考えます。気体分子1が粒、気体分子2が粒あるとき、ある1つのマスに分子が存在する確率はそれぞれ、、そして2つの分子が同じマスに存在する確率はです。このように考えると、濃度のかけ算が衝突確率に比例しそうなイメージが湧くと思います。
  • 仕事が遅い人に「君はこのプロジェクトの律速段階だね」というと、おそらくその場がどえらい雰囲気になるので注意しましょう。

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