
早口言葉にするのが難しい活用形。
例文:住み慣れし故郷、限りなく思ひ出でらる。(更級日記)
訳文:住み慣れた故郷のことが、この上なく思い出される。
例文:あられぬ世を念じすぐしつつ、(方丈記)
訳文:生きにくい世の中を祈り過ごしながら、
例文:ありがたきもの、舅にほめらるる婿、(枕草子)
訳文:滅多にないもの、舅(妻の父)にほめられる婿、
例文:かの大納言、いづれの舟にか乗らるべき。(大鏡)
訳文:あの大納言は、どの舟にお乗りになるだろうか。
可能の「る・らる」は、上の例のように、下に打消や反語表現のような言葉がつくことが多い。
上に尊敬語(仰す、御覧ず、など)や謙譲語(申す、奉る、など)があるような「る・らる」は、尊敬の意味。あとは、主語が身分の高い人であるような場合も、尊敬の意味が多い。
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