ここでは、ラテンアメリカでみられる大土地所有制について解説する。
農園主が何十、何百haという広大な土地を所有し、労働者を雇って耕作させる。
自然環境に合わせた適地適作が行われ、効率的な大規模農業が行われている。
商品作物に特化することも多く、コーヒーやサトウキビなどの栽培が盛んなのも大土地所有制の影響がある。
なお、20世紀以降の土地制度改革などにより以前よりは大土地所有制は弱まったが、世界的に見るとまだまだ土地分配は不平等といえる。
(イメージ図、wikimedia commons)
ラテンアメリカ社会の、
という特徴は、大土地所有制に由来する。
地主と農業労働者では、当然、地主の方が圧倒的金持ちになるため、貧富の格差が拡大する。
また、大土地所有制が中心ということは自作農が少ないということでもあり、農村に住む人は多くが自分の土地を持っていない。
自分の土地がないので、農業労働者からすると田舎に留まる理由はあまりない。都会にいい仕事があれば、すぐ都会に移住してしまう。
そのためラテンアメリカでは都市に人口が集中しやすく、所得水準の割に都市人口率が高く、多くのプライメートシティが形成されている。
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