概要
「ヨウ素価」とはずばり、油脂中の二重結合の数を見積もる指標のこと。具体的な定義は「油脂100gに付加できるヨウ素の質量[g]」です。

単純な話、ヨウ素価(=付加できるの量)が大きいほど、二重結合の数が多くなります。ヨウ素価が130以上だと乾性油、100〜130だと半乾性油、100以下だと不乾性油と分類されます。
詳細
ヨウ素価とは
ヨウ素価とは、油脂100gに付加できるヨウ素の質量[g] です。ヨウ素価を測定することで、油脂中の平均の二重結合の数を見積もることができます。油脂は二重結合数で反応性(酸化のされやすさなど)が決まるため、ヨウ素価は大切な指標です(*補足1)。

ヨウ素価を表す数式を求めておきます。二重結合1つに対してヨウ素 1分子が付加できます。油脂の平均分子量をとすると油脂100gは。油脂1分子に平均個の二重結合があるとして、に注意すると以下のようになります。

ちなみに、この式中に現れる平均分子量は「けん化価」によって求められます。似た名前の概念が多くてうんざりしますが、不安な人は辞書をチェックしてみてください。
練習問題

(解答)
(1)けん化価が不安な人は辞書をチェックしてください。油脂の平均分子量をとすると、

(2) ヨウ素価とは、油脂100gに付加できるヨウ素の質量[g]でした。油脂1分子中の平均の二重結合の数をとすると、

補足
- (*補足1)ヨウ素価なんて測らなくても、普通に「1分子あたり二重結合3つ」とか言えばいいじゃん、と思うかもしれません。しかし油脂は自然由来のものなので、さまざまな二重結合を持つ複数種類の分子が混ざってしまっています。そこで「とりあえずヨウ素がくっつくだけ反応できるってことっしょ?」と測定するのがヨウ素価です。