浮稲
簡単なまとめ
浮稲は、稲の品種の一つで、洪水に極めて強い。
古くから、南アジア~東南アジアのデルタ地帯で栽培されてきた。
収穫量が極めて少なく、近年は灌漑・排水設備の整備が進んだことから、栽培地域は急速に減少している。
浮稲の栽培
水深1m以上でも生育する稲のことを、浮稲という。
浮稲は、まず乾いた土地に普通に種まきをする。
そして、雨季が訪れ、川が増水して水位がだんだん上昇してくると、土地は水没してしまう。
しかし、浮稲は水没しないようにぐんぐん丈を伸ばして成長する。丈はおよそ3~4mにもなる。
普通の稲なら水没して枯れてしまうが、浮稲は成長が極めて速く、常に水面から顔を出したような状態になる。
稲刈りは、舟に乗って穂だけ刈り取る方式や、落水後に刈り取る方式などがある。
(ちとにとせさんより)
地域
ガンジスデルタ~メコンデルタ、一部西アフリカ、アマゾン川流域で栽培されている。
Aw~Amの三角州に集中していることがわかる。
(国土地理院 標準地図をもとに筆者編集)
現況
浮稲の栽培は、現在急速に減少している。
これは、灌漑設備の整備、洪水対策の進展によって、 高収量品種への切り替えが進んだため。
もともと、浮稲は、普通の稲の1/4~1/3程度の収穫量しかない(土地生産性が低い)。
洪水が起こるせいで、普通の稲が作れないからしぶしぶ浮稲を作っているわけで、できることなら普通の稲を育てたいのである。
ところが、近年は灌漑・排水設備が整備され、普通の稲でも育てられるようになってきた。そのような地域では、通常の稲への切り替えが進んでいる。
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