今回はC4植物・CAM植物について解説しました!
植物が4億7500万年前にはじめて陸上に移動してから「乾燥」に対しての問題を常に持っているんですね‥。1つの例として「光合成」が挙げられます。
葉の表面にある気孔を通してCO2を取り入れますが、暑く、乾燥していると気孔から水分がどんどん出ていくので、気孔を閉じる必要があります。これによって水を保持するんですね。
でも気孔を閉じてしまうと今度はCO2が入ってくるのを制限するので、CO2濃度が減少し、O2濃度が上昇し始めます。このとき「光呼吸(ひかりこきゅう)」と呼ばれる反応を起こしてしまいます。(光呼吸は「無駄」な過程です)
多くの植物では、CO2を取り入れて次に合成する物質は炭素が3個の「ホスホグリセリン酸(PGA)」でしたね!なので「C3植物」と呼ばれています。ここで、さきほどのようにCO2濃度が減少し、O2濃度が上昇すると、二酸化炭素を固定する酵素である「ルビスコ」がO2と結合してしまい、最終的にCO2を発生させてしまいます。これが「光呼吸」です。CO2が固定されないので、もちろん糖も作られません。
光呼吸を減らせば、カルビンベンソン回路が最適な状態になりますよね?そこで別の炭素固定が進化したのです。それがC4植物とCAM(ベンケイソウ型有機酸代謝)植物です!!
C4植物
C4植物では、光合成を行う細胞として「維管束鞘(しょう)細胞」と「葉肉細胞」という2つの細胞を持っていて、それぞれに葉緑体が含まれています。
イメージとしては、維管束鞘細胞でカルビンベンソン回路を回していて、C3植物では気孔からCO2をそのまま取り入れていたけれど、C4植物ではCO2を一旦、葉肉細胞に取り込み、葉肉細胞が維管束鞘細胞にCO2を供給する形になっているという感じです。(これによってCO2濃度を高く保つことができる!)
それでは順に見ていきましょう!
まず葉肉細胞ではPEPカルボキシラーゼという酵素がCO2をPEPにくっつけます。
(PEPはホスホエノールピルビン酸の略)
PEPカルボキシラーゼはルビスコに比べてCO2に対する親和性が高いです!だから高温・乾燥などで気孔が閉じ、CO2濃度が減少し、O2濃度が上昇したときでも、炭素を効率的に固定することができます(光呼吸は起こりにくい)。
CO2を固定したあと、葉肉細胞では、炭素が4つのオキサロ酢酸、続いてリンゴ酸を合成し、原形質連絡を経由して維管束鞘細胞にこのリンゴ酸を輸送します。
維管束鞘細胞の中ではリンゴ酸からCO2が離され、このCO2はルビスコによってカルビンベンソン回路に取り込まれます。リンゴ酸からCO2が離れるとピルビン酸になり、このピルビン酸はATPを使ってPEPに変換され、また再利用されます。
どうですか??理解できましたか??‥CO2に対する親和性が高いPEPカルボキシラーゼによって炭素を効率的に固定することができ、また、合成しておいたリンゴ酸から二酸化炭素を供給できるので「CO2濃度を高く保つことができる」のです!これが1番のポイントかな!
あとC4植物の例として「トウモロコシ」と「サトウキビ」はよく出てくるので覚えておくこと!
CAM植物
さてCAM植物はC4植物とはまた異なる方法で乾燥に適応してきました。どうしているのかというと、「夜間に気孔を開いて、昼間に閉じる」という方法を利用しています。ふつうの植物のまさに逆ですね!この代謝過程はベンケイソウ科(Crassulaceae)で最初に発見されたので、CAM(Crassulacean acid metabolism)植物(ベンケイソウ型有機酸代謝)と呼ばれています。
それでは順に見ていきましょう!
まず、夜間にCO2を取り込んでリンゴ酸を合成します(ここはC4植物の場合と同じですね。)
そのリンゴ酸(有機酸)を気孔が閉じる朝まで「液胞」に蓄えておきます。昼間、チラコイド膜で起こる反応によってATPとNADPHがカルビンベンソン回路に供給されると、前夜につくられたリンゴ酸(有機酸)からCO2が放出され、カルビンベンソン回路に取り込まれるという流れです。
C4植物とCAM植物の違いをまとめておくと、
二酸化炭素がカルビンベンソン回路に直接入るのではなく、どちらもPEPに取り込まれてリンゴ酸を合成し、そのリンゴ酸からカルビンベンソン回路に二酸化炭素を供給するという点は同じです。
ただし、C4植物では「炭素固定」と「カルビンベンソン回路」が場所で行われている(構造的に別れている)のに対し、CAM植物では同じ場所で、「炭素固定」と「カルビンベンソン回路」は時間的に別れているということが挙げられます。
CAM植物の例としては、ベンケイソウ、サボテン、パイナップルを覚えておいて下さいね!