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アミノ酸とペプチド結合について講義します。
●メチオニンとシステインはS(硫黄)をもつアミノ酸である。
語呂「飯と言おう(「メ」チオニン、「シ」ステイン、硫黄)」
*システインは側鎖にSH基をもち、その間で結合が生じ、ーCH2-S-SーCH2-の形の結合が生じる。これを文字通りS-S結合(ジスルフィド結合)という。
●タンパク質の一次構造:アミノ酸の配列
タンパク質の二次構造:ポリペプチド鎖(アミノ酸の鎖)の『部分的』な立体構造。α-ヘリックスとβ-シートしか問われない。
タンパク質の三次構造:1本のポリペプチド鎖『全体』の立体構造。
タンパク質の四次構造:何本かのポリペプチド鎖が集まってとる構造。その時、四次構造をつくるポリペプチド鎖1つ1つをサブユニットという。サブユニットは部品のようなイメージ。(たとえばヘモグロビンは4つのサブユニットが集まって四次構造をとっている。対して、筋肉に酸素をためておく役割をもつミオグロビンは1本のポリペプチド鎖であり、四次構造をもたない。このように、タンパク質には、サブユニットが集まって四次構造をとる物もあれば、1本で完結し、三次構造までしかとらない物もある)。
●タンパク質(protein)は、ドイツの科学者ゲラルダス・ムルダーが1839年に命名した。proteinは「最も重要なもの」という意味である(ギリシャ語のプロティオスは第一を意味する。ちなみに、命名をムルダーに示唆したのは、ベルセーリウスであったとされる。ベルセーリウスは、元素の表記の仕方を、現在のようにラテン名の頭文字、または2文字とするよう提案した化学者である。)。
●最初に単離されたアミノ酸は、1810年にウォラストンによって尿結石中に見出されたシスチンであった。しかし、これがタンパク質中の成分であることは1899年まで知られなかった。
●アミノ酸は、カルボキシ基の隣のα炭素にアミノ基を持つカルボン酸である。
●タンパク質中に存在するアミノ酸は、グリシンを除きすべて光学的に活性であり、Lー型である。Dー型アミノ酸も天然に存在し、実際に検出されるが、タンパク質中には検出されていない。
問題:生物のタンパク質を構成する20種のアミノ酸に使われている元素として正しいものを選べ。
①CHONP
②CHONS
答え:②(ちなみに、①はヌクレオチドの構成元素)
●アミノ酸は自分で描けるようにしましょう。
●入試では気にしなくて良いが、基本的にペプチド結合のコンホメーションは、立体障害の少ないトランス型をとる。
●メチオニンとシステインは硫黄(S)を持つ(だからタンパク質の構成元素はCHONSである)。
●アミノ基(-NH3)とカルボキシル基(-COOH)を両方もつ有機化合物をアミノ酸amino acidという。タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されている。その中にはヒトの生体内で合成されるアミノ酸もあり、ヒトは、これらすべてのアミノ酸を摂取する必要があるというわけではない。外界から摂取しなければならないアミノ酸としてバリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン 、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジンの8種があり、これを必須アミノ酸という。幼児ではこの他にヒスチジンを摂取したほうが発育がよく、ヒスチジンを準必須アミノ酸 と呼ぶことがある。(アルギニンについては、諸説ある。基本的に可決アミノ酸であるが、条件付き不可欠アミノ酸とも言われる)必須アミノ酸を大学入試で問われることはほぼない。
語呂「雨降りひと色バト(アルギニン、メチオニン、フェニルアラニン、リジン、ヒスチジン、トレオニン、イソロイシン、ロイシン、バリン、トリプトファン)」
●一般に、地球上のタンパク質を構成するアミノ酸は20種とする。しかし、古細菌のメタン生産菌では、セレノシステイン、ピロリジンが21番目、22番目のアミノ酸として使われる。
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