通信技術に基づく自由かつ安心安全な社会を目指して:慶大理工学部 大槻研究室
近年、私たちの暮らしでは携帯電話の急速な普及に見られるように,無線通信が身近なものになっています。
しかし,使用できる周波数が限られているため光ファイバより伝送速度が遅く、通話品質に変動があり、盗聴の危険性などもあります。
大槻研究室ではそのような問題を解決すべき情報理論・信号処理に基づく通信技術の開発を行っています。
Q「例えば最近やっている研究は今までの信号処理ですと時間領域、あるいは周波数領域といったそう言ったところでの信号処理が多かったんですけど、それにプラスしまして空間領域の信号処理を行っております。
すなわち、時間、空間周波数、時空、あるいは時空間周波数の領域の信号処理を行っています。
例えば携帯電話を使っている時に今までですと、あまり大きいデータ容量の物ですとやり取りすると言った時には非常に時間が掛かっていたんですけどもそう言った技術を使いますと、例えば携帯電話で光通信を用いた通信の、高い品質の通信を行う事が出来ますのでDVD、映画とかですねそういった物もあっという間にダウンロードすること出来る。
あるいは携帯電話の機能をネットワーク側にもたせる事によってより安全なシステムを作る事が出来る、まぁいるんな事が期待されています。」
この他、研究所ではGPSに代わる位置検出システムにも着目しています。
屋内で使用する場合、精度が非常に落ちてしまう従来のGPSに代わり、高精度でかつ屋内でも使用可能な
位置検出システムの研究・開発も行っています。
これらの研究を応用する事によって防犯システムの開発も可能です。
それは空間中の電波の伝わり方の変化を読み取るもので,侵入だけでなく,物陰に身を潜めている・部屋の中を歩き回っているなどの人の状態,さらには物の盗難・置き忘れ、不審行動や転倒など、多くのことが検知可能になります。
このように大槻研究室では通信技術を応用する事により安心・安全な社会を創造し、やりがいのあるシステム開発に取り組んでいきます。
Q「近年問題となっている独居老人のもんだいですね、高齢者の方々、お一人で住まわれているといったときには、何かあって倒れたときにいち早く検出したい訳ですけども、まぁ遠く離れているとなかなかそれが難しい、あるいはそういった事故が起こるのはお風呂ですとかトイレっていうのが多いんですけども、そういったところはカメラが入りにくいところでして、我々の技術っていうのはそういったところにも導入する事が出来まして、あの、かなり近いうちにそういった身近な人の助けになる様な技術になると考えてまして、そういったところに面白さっていうかやりがいっていうのは感じておりますけども」