突然ですが皆さん、5万円を6万円で買う、そのようなことをしたいと思いますか。
恐らく多くの人が、なぜ5万円の現金を6万円出して買うのか理解に苦しむはずです。しかし、今から数年前、某フリマアプリでは、現金5万円が6万円で売れるなどの現象が起きていたのです。
今回は、なぜ5万円が6万円で売れていたのかについて解説していきます。
現金を買うとは?
そもそも、5万円が6万円で売られるとはどういうことでしょうか。
イメージで言うならば、1万円札5枚からなる現金の束が、なぜか6万円という価格でフリマアプリに出品され、実際に落札されていたということです。
そしてこの仕組みこそが今回の本題です。なぜ5万円が6万円という額面以上の価格で売れていたのか。そして、なぜそれが購入されていたのでしょうか。
その大きな理由の一つが、クレジットカードのショッピング枠でした。
クレジットカードの仕組み
皆さんの中にも、クレジットカードを持っている方、持っていない方がいると思いますが、クレジットカードには限度額というものがあります。新しく作った場合は、10万円前後から始まるケースも多いと言われています。
クレジットカードは限度額の範囲内で買い物ができ、決められた支払い日に銀行口座から引き落とされる仕組みです。
このクレジットカードには「締め日」と呼ばれるものがあり、多くの場合、購入から支払いまでおおよそ1か月、場合によっては2か月近くのタイムラグが生まれます。
そこに目をつけたのが、現金を額面以上の価格で購入する人たちでした。
なぜ額面以上でも購入されたのか
今すぐ現金が欲しい。しかし銀行などでは借りることができない。そうした人たちが、クレジットカードの限度額の余りを使って現金を購入し、支払いに充てたり、生活費の足しにしたりするという狙いがあったと考えられています。
なぜ普通の金融サービスを使わなかったのかについては、当時、専門家からも様々な分析が出ていました。消費者金融の審査に通らない、即日で現金が必要、銀行振込を避けたいなど、金融サービスの代替として使われていた可能性が指摘されています。
ただし、筆者は別の狙いもあったのではないかと考えています。消費者金融で借りれば金利が発生しますが、クレジットカードは支払日までであれば手数料がかからないからです。多少高い金額で現金を購入したとしても、延滞金などを避けられる点にメリットを感じていた人もいたのではないでしょうか。
法的リスク
ただし、これは違法になる可能性もある非常にグレーな行為でした。現金の売買は100%違法とも合法とも言い切れない部分があり、法的リスクを伴うものでした。
しかし当時、出品者が犯罪として検挙された例は多くなく、いわゆるグレーゾーンとして扱われていました。
フリマアプリ側の規制と対策
その後、報道が増えたことをきっかけに、某フリマアプリでは日本円の現金出品が全面禁止となりました。また、チャージ済みICカードの出品制限や、換金率の高い商品の監視強化などの対策も取られています。
規制後のいたちごっこ
そして、ここから始まったのが、運営と利用者のいわゆる「いたちごっこ」です。規制後も、現金を折り紙として出品する方法、Appleギフトカードなどの番号のみを販売する方法、現金に見える写真だけを出品する方法など、抜け道を探す動きが続きました。
ただし現在では、運営側の監視が強化され、こうした出品は厳しく取り締まられています。
金券ショップも同じ仕組み?
ただ、これらの現象というのは、某フリマアプリだけではありません。例えば、新幹線が止まるような大きな駅の近くには、いわゆる金券ショップというものを見聞きしたことがあると思います。一般定価よりも少し安い価格で新幹線のチケットを買えたりするお店ですね。
もちろん、その中には、購入したものの使わなくなった人が売却しているケースも一定数あると思います。ただ、通常の払い戻しであれば手数料の条件次第ではほぼ満額に近い形で戻る場合もあるのに対し、金券ショップに売ると定価では買い取ってもらえないため、損をする形になります。
それにもかかわらず、なぜ金券ショップでは新幹線のチケットが安く販売されているのでしょうか。
その背景には、クレジットカードの利用枠などを使って新幹線の切符を購入し、それを金券ショップに定価の8割〜9割程度で売却することで、多少損をしてでもすぐに現金化したいという動きがあるとされています。
ある時期は、このような仕組みが現金化の手段として語られることもありました。金券ショップ自体は現状、健全なビジネスとして運営されているものですが、考え方としては、先ほど話したフリマアプリで5万円が6万円で売れていた現象と、似た構造を持っているとも言えるでしょう。
(筆者は一年間愛知県に住んでいたのですが、名駅の近くにも沢山の金券ショップがありました)
(筆者が撮影)
まとめ
このように、当時のフリマアプリでは5万円が6万円で売れるなど、現金が額面以上の価格で売買される現象が起きていました。
現在でも、規制が追いついていない海外アプリなどでは似たような動きがあるとも言われていますが、法的リスクが高い行為であることに変わりはありません。
最後までありがとうございました。




