永久中立国と知られるスイスですが、実は永久中立国であるがゆえに、ものすごい防衛力を持っていることを皆さんは知っていますか。
今回は「永久中立国のスイスがすごかった」というテーマで解説していきます。
そもそも永久中立国とは
まず初めに、そもそも永久中立国とは何なのかについて簡単に紹介します。
よく「永久中立国」と聞くと、武器を持たない国であったり、戦う力を持たない国、そういったイメージが強いと思います。しかし、本来永久中立国というのは、そのような意味ではありません。
特に今回紹介するスイスに限定して解説すると、スイスの永久中立は1815年のウィーン会議で国際的に承認されたものです。
しかし、ここからが最大のポイントです。
永久中立国であり続けるために、人口規模に対して非常に強固な防衛体制を有し、自国のことは自国で守るというのがスイスのスタンスなのです。
スイスは他国の戦争には関与しません。しかし、侵略された場合には、どの国であっても自国の軍事力で防衛するという姿勢を明確にしています。
徴兵制
その代表的な制度が徴兵制です。
現在のいわゆる民主主義国家の中には徴兵制を採用していない国も増えていますが、永久中立国であるスイスでは現在も徴兵制が続いています。
18歳以上の男性には兵役義務があり、女性は志願制です。
基礎訓練が行われた後も、定期的な再訓練が続きます。
人口約900万人の国で、総動員可能な兵力は約20万〜30万人規模とされています。
この規模は、小国としては非常に大きな規模です。
しかも、予備役の即応体制が非常に整っている点も大きな特徴です。
国民の100%が核シェルターに避難可能!?
もう一つ挙げられるのが、全国民が避難可能な核シェルター整備です。
現在は義務ではありませんが、1960年代頃から住宅建設時に核シェルターの設置を義務化していた時代がありました。
住宅だけではなく、国が各地域にシェルターを整備していることにより、理論上ではありますが、国民全員を収容できる規模の核シェルターを有していると言われています。
これは、仮に核戦争が起きたとしても国民を守るという思想に基づくものです。
他国に頼らず、自国で自国を守る。これこそがスイスが永久中立国を維持するための一つの方法なのです。
天然の要塞化したスイス
そして最も重要なのが、要塞化した地理的条件です。
元々スイスはアルプス山脈という非常に高い山々に囲まれています。この地形を活かし、山岳地帯に要塞を築き、橋やトンネルには有事の際に破壊できる仕組みを整備してきました。
軍事的な要塞であると同時に、地理的にも天然の要塞となっているのです。
実際、第二次世界大戦中、ヒトラー率いるナチス・ドイツはスイス侵略を計画していたとされています。しかし、地形の厳しさ、軍事力の強さ、そして侵略後のメリットが少ないことから、侵略は実行されなかったと言われています。
攻める価値が低く、攻めにくい国、これがスイスが永久中立国でいられる一つの要因でした。
空軍と領空防衛
スイス軍は最新鋭の戦闘機を多数保有しています。
中立であっても、いかなる領空侵犯も許さないという姿勢を明確にしています。
また高速道路を滑走路として活用する訓練や、山岳飛行など独自の訓練も行われています。
中立であるからこそ、自国の空は自国で守るという考え方です。
約200年続く中立国
スイスは永久中立国となってから約200年以上、独自の強固な防衛体制を維持し続けてきました。
これからの時代、何が起きるかは誰にも分かりません。
今後も我が国が平和であるためには、一つの手段としてスイスのような圧倒的な防衛力を持つべきではないかという議論も、決して避けては通れないテーマなのではないでしょうか。
最後までありがとうございました。




