鉄鉱石
分布
オーストラリア、ブラジルで生産量が多いのもこれに起因しています。
生産
産出国で絶対に覚えておくべきなのは、
- オーストラリア
- ブラジル
です。
(データブック・オブ・ザ・ワールド)
オーストラリアは資源量が多いうえ、最大消費地である東アジアやインドに近く輸出に有利で、近年急速に生産量を伸ばしています。
ブラジルでは、近年カラジャス鉄山が発見され、生産量の増加に貢献しました。
流通
輸出
- 生産量が多く
- 鉄鋼業が盛んでない国
で、輸出が多くなっています。
- オーストラリア
- ブラジル
は押さえておきましょう。
(データブック・オブ・ザ・ワールド)
輸入
鉄鉱石は鉄の原料ですから、当然鉄鋼業の盛んな国で多く消費されるわけです。
ですから、
- 中国
- 日本
- 韓国
- ドイツ
といった、鉄鋼業は盛んだが資源がない国は輸入が多くなります。
中国は産出量も多いですが、それをはるかに凌駕する鉄鋼生産量を誇っているため、国内で需要が賄えず外国から大量に鉄鉱石を輸入しています。
(データブック・オブ・ザ・ワールド)
補足~鉄鉱石の起源
鉄鉱石の鉱山は、安定陸塊に分布するということがよく言われています。この理由について述べていきましょう。
話は約30~20億年前の地球にさかのぼります。まだ生物も微生物程度しかおらず、当時の地球は荒涼とした、そして静かなものだったでしょう。
このころ、原始の海の中にはシアノバクテリアと呼ばれる藻のような微生物が登場しました。シアノバクテリアは太陽光の届く浅海底、即ち大陸沿岸から大陸棚にかけて分布していました。他に敵のいなかったシアノバクテリアは我が天下とばかりに大繁殖。盛んに光合成を行い、海中に酸素を大量に放出していきました。
しかし、ここで問題が生じました。当時の海は鉄イオン濃度が現在よりも遥かに高く、光合成によって作られた酸素はまずこの鉄イオンと結合し、酸化鉄を形成して海底に沈んでいったのです。
こうして形成されたのが、縞状鉄鉱床と呼ばれる地層です。なぜ縞模様が形成されたのかは未解明だそうですが、酸化鉄を豊富に含む赤茶色の地層が層をなしています。
以上で述べたことからわかるように、縞状鉄鉱床は先カンブリア代の浅海底、とくに大陸棚で形成されています。つまり、先カンブリア代の大陸地殻が残っている場所、即ち安定陸塊に鉄鉱石の鉱山が分布するというわけです。
さらにさらに、そんだけ古い地層ということはものすごく深い所にあるわけですが、長い間浸食を受けて削りに削られた楯状地だと、ちょっと掘るだけで鉱脈にあたるということで、楯状地に鉱山が分布するんですね。
鉄鉱石の鉱脈は、石炭と違って殆どこの時期にしか形成されていないので、「鉄山は安定陸塊に分布する」に例外はほぼありません。