ヤマト政権

概要

ヤマト政権とは、古墳時代に近畿地方を中心として成立した政権。

詳細

空白の４世紀

大昔の日本には文字がありませんでした。 なので当時の日本のことを知るためには、中国の歴史書に書かれた日本の記事を読むしかありません。 しかし中国が三国時代や南北朝時代という戦いの時代となったことで、日本の記事は中国の歴史書から姿を消してしまいます。 こうして４世紀の日本列島は、空白の４世紀と呼ばれる文字資料のない時代に突入していったのです。 この空白の４世紀の間に姿を現したのがヤマト政権でした。

ヤマト政権

「文字資料がないのになぜヤマト政権のことがわかるのか」 という話をしていきます。 その答えはズバリ考古学です。 文字資料が無くても発掘作業によってわかることはあります。 ここで注目されるのが古墳です。 古墳の中でも古い形である前方後円墳は、日本の各地で見つかります。 出現期最大級としてしられる箸墓古墳は奈良県にありますし、 古墳の分布も奈良近辺を中心としています。 このようなことから

• 奈良にいた大王が前方後円墳を作り始めた。
• 大王にならって各地の豪族も同じ形のお墓を作り始めた。
• こうして全国的な豪族連合が成立した。

ということが推測できます。 この豪族連合こそがヤマト政権なのです。

なぜ「ヤマト」なのか

「ヤマト」というのは「山の麓」という意味だと考えられています。 ここで言うところの山というのは、奈良盆地にある三輪山のことです。 奈良盆地の山々の中でも一際形が整った山であり古来から信仰の対象となっていました。 つまり「ヤマト政権」というのは「三輪山の麓の地域を中心とした政権」 という意味だと考えられています。