乾燥地形
乾燥地形
乾燥帯(ステップ気候・砂漠気候)で特徴的にみられる地形。
成因
乾燥気候では、主に風による浸食(風食)と物理的風化によって地形が形成される。
乾燥気候では昼夜や季節の寒暖差が激しく、岩石が膨張と収縮を繰り返すことで脆くなり崩れていくことで風化が進む。
砂漠
降水が乏しいことから植生が極めて少なく、地表が露出している地域のことを砂漠という。
砂漠には、
- 岩石砂漠
- 礫砂漠
- 砂砂漠
の三種がある。
岩石が露出している砂漠を岩石砂漠という。
岩石の風化が進むと、小石程度の大きさの礫(れき)となる。礫が地面を覆っている砂漠を礫砂漠という。
さらに風化が進み、細かい砂が地面を覆うようになると砂砂漠と呼ばれるようになる。砂は風によって集積し、砂丘を形成する。
砂漠のうちほとんどは岩石砂漠や礫砂漠で、砂砂漠は少ない。
特徴的な地形
メサ・ビュート
卓状地の項でも解説したが、これらは乾燥地域でよくみられる地形。米国西部のモニュメントバレーは有名。
ワジ(枯れ川)
降水時のみ水が流れる、浅い谷。平時は交通路として利用されることもある。
砂漠は保水力が乏しいため、降水があると一気に水がワジに集まり、鉄砲水となることがある。砂漠でも、これによる洪水被害が毎年発生している。
また、ワジの周辺では地下水位が比較的高く、オアシスが立地することも多い。
補足:メサ・ビュートと乾燥地形
実はメサやビュートは乾燥帯に特有の地形というわけではなく、日本のような湿潤地域でもみられる地形です。大分県の伐株山、香川県の屋島や讃岐富士などもメサやビュートに当てはまります。
そもそもメサやビュートというのは、周りが浸食されて取り残されたテーブル状もしくは塔状の地形であり、乾燥した地域に限ったものではないのです。
高校地理でメサやビュートを乾燥地形として取り上げるのは、乾燥地形では湿潤地形ほど浸食が進まず、メサやビュート本来の形がよく保存されるからだと思われます。
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