アルタイ諸語
分布
シベリア、内モンゴル~カスピ海、トルコに多く分布します。
主な民族
- トルコ人
- モンゴル人
- ウズベク人
- ウイグル人
もともと騎馬遊牧民族だったことから移動が激しく、ユーラシア大陸の広い地域に分布しています。
起源と拡散
アルタイ諸語には、大きく分けて3種類の語派があると考えられています。モンゴル系、ツングース系、トルコ(テュルク)系です。
モンゴル系
モンゴル系は文字通りモンゴル人などが属しており、モンゴル国・内モンゴルに主に分布しています。
ツングース系
ツングース系はシベリアの人口が希薄な地帯に居住しています。
ヨーロッパ系のロシア人はシベリア鉄道に沿って入植したため、シベリア鉄道沿線はヨーロッパ系が多く人口稠密、それ以外の地域は人口希薄で先住民であるツングース系が多くなっています。
トルコ系
トルコ系は、トルコ共和国、トルキスタンに多く居住しています。
トルキスタンというのは、カスピ海以東の旧ソ連諸国と中国の新疆ウイグル自治区をあわせた地域の呼び名です。
トルコ系(テュルク系)の移動は、世界史の知識があると覚えやすくなります。
トルコ系はもともとモンゴル高原~シベリアに住んでいました。
ところが9世紀半ば、トルコ系王朝であったウイグルがキルギスの攻撃を受けて崩壊、敗れたウイグルは中央アジアへ移動、定住してその地域を支配しました。この過程で中央アジアにはトルコ系の言語・文化が根付きました。これを中央アジアのトルコ化と言います。
その後もトルコ系住民は現在に至るまでこの地域に住んでいるため、この地は「トルコ人の土地」という意味で「トルキスタン」と呼ばれます。
その後、中央アジアにはセルジューク朝と呼ばれるトルコ系の強力な王朝が誕生し、中央アジアから西アジア、メソポタミアからアナトリア(現在のトルコ)までを支配する巨大な帝国となりました。この過程で大量のトルコ系民族がアナトリアに移住、定住化が進み現在のトルコ人のもとになったのです。