丁寧語は、書き手(作者)・話し手から、その話の読み手(読者)・聞き手に対する敬意を表す。
なので、会話文の場合、話し手である喋っている人から、聞き手であるその会話文を聞いている人への敬意を表す。
会話文ではない地の文の場合、書き手である作者から、読み手である読者への敬意となる。
これは現代文の丁寧語と同じような使い方になっているので、わかりやすい。
古文の敬語は、「誰から誰への敬意なのか」 を把握するのがとても大事なので、下の絵で、尊敬語 や 謙譲語 の違いとともに確認しよう。

例文:「かの、白く咲けるをなむ、夕顔と申しはべる。」(源氏物語)
訳文:「あの白く咲いている花を夕顔と申します。」
→ 会話文中なので、この丁寧語「はべり」は、この文を喋っている人から、聞いている人への敬意を表す。
敬語の動詞には、本動詞と補助動詞がある。
尊敬語や謙譲語と比べると、種類が少ないので、穏やかな気持ちになれる。

※「侍り」「候ふ」は謙譲語の意味もあるので、注意。詳しくは謙譲語の辞書で確認しよう。
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