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PSP(シナプス後電位)と加重【神経】 高校生物発展


矢口はっぴー

9分53秒

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説明

【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
PSP(シナプス後電位)と加重について講義します。
*音質が悪くて申し訳ありません。字幕を作ってあるので、ご利用ください。
●膜電位が、ある特定の値(閾値という)を超えるほど脱分極すると、活動電位が誘発される。
●シナプスにおける伝達の結果、神経伝達物質を受け取った側のニューロンに発生する電位変化を、シナプス後電位(しなぷすこうでんい。PSP)という。シナプス後電位には、①EPSP(興奮性シナプス後電位)と②IPSP(抑制性シナプス後電位)がある。。
●PSPは「 postsynaptic potential 」の略。
●EPSPは「 excitatory postsynaptic potential 」の略。「excitatory」が興奮性を表す。「post~」は、「~の後」という意味。
●IPSPは「 inhibitory postsynaptic potential 」の略。「inhibitory」が抑制性を表す。
●EPSPが起こる場合は、神経伝達物質を受け取ったシナプス後ニューロンにNa+が流入する(+イオンが流入するので、細胞内の電位は+の方向に変化する)。
●IPSPが起こる場合は、神経伝達物質を受け取ったシナプス後ニューロンにClーが流入する(ーイオンが流入するので、細胞内の電位はーの方向に変化する)。
●動画中の膜電位のグラフは、細胞外を基準(0mV)として、細胞内の電位を測定している。
●シナプス前ニューロン、シナプス後ニューロンは、それぞれシナプス前細胞、シナプス後細胞ともいう。
●中枢のニューロンはたくさんのシナプスを形成する。中枢にある個々のニューロンは、何百ものシナプス入力を受ける。複数の入力の情報はそのニューロンによって1つに統合される。そのニューロンはまるで、たくさんの人の話を聞いて、1つの判断を下しているようである。
●正確には、樹状突起上で脱分極が起こっても、その場で活動電位が発火するわけではない。活動電位は、スパイク発火帯という場所で起こる。すなわち、細かいことを言えば、活動電位を発生させるための興奮性シナプスの効果は、シナプスからスパイク発火帯までの距離と樹状突起の膜の特性依存している。
●抑制性神経伝達物質には、GABAの他にグリシンがある(ただし、グリシンをはじめ、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、アセチルコリンなどの神経伝達物質は、結合する受容体の種類によって発現する効果は異なる[興奮性あるいは抑制性となる])。
●一般に、閾値を超えて発生した活動電位はシナプス後電位に含まれない。
2個以上の刺激により、単独の刺激の効果よりも大きな効果が現れる現象を、加重(かじゅう)という。
●通常、単一のシナプス入力で発生するEPSPは小さく、閾値には達しないので、活動電位の発生には、多数の興奮性入力を加算する必要がある。
複数の興奮性シナプス後電位が加重されて興奮が生じるとき、加算の様式を①空間的加重(くうかんてきかじゅう)と②時間的加重(じかんてきかじゅう)に分けて考えることができる。複数の入力が同期して入力がなされる場合、このような加重様式を空間的加重という。一方、短い時間に連続して入力が到達するときがある。そのような時も、電位変化が加重される。このような加重様式を時間的加重という。
①空間的加重(くうかんてきかじゅう):シナプス後細胞の異なる部位に作用する多くのシナプス前細胞からの入力を加算する過程(樹状突起上のいくつかの異なるシナプスで同時に発生したEPSPが加重する)。 
例)異なるシナプスによってほぼ同時に発生したEPSPは、重なって大きくなる。
②時間的加重(じかんてきかじゅう):シナプス後細胞において、連続した電位変化を加算する過程(1~15ミリ秒以内で連続してEPSPが起こる場合に、これらが加重する)。 
例)短い時間間隔で連続してEPSPが生じた場合、EPSPは重なって大きくなる。




0:00 PSP(EPSPとIPSP)
6:36 加重(時間的加重と空間的加重)

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