エチレン【植物ホルモン⑤】 高校生物
3分33秒
説明
【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
エチレンのはたらき(離層形成・果実の成熟促進)について解説します。
語呂「理想が散る(離層形成、エチレン。散る、というのが落葉のイメージ)
●エチレン:気体として放出される植物ホルモン。
*19世紀、人々は、ガス灯の近くの街路樹の葉が次々と落ちることを不思議に思っていた。1901年、ネルジュボフは、室内の照明用ガス灯から漏れ出る『気体』が、微量でエンドウ芽生えの成長に影響を与えることを発見した。1934年、ゲインは、数十個のリンゴから放出される気体を何日もかけて集め、エチレンを単離・同定した。
●エチレンのはたらき
①離層(りそう)を形成して落葉・落果を促進。
②植物体の伸長成長を抑制し、肥大成長を促進。
③バナナ・ミカンなどの果実の成熟を促進。
*成熟した果実から多量のエチレンが生成される。エチレンが成熟の引き金になり、成熟はさらなるエチレン産生の引き金になる。これは一種の連鎖反応である。
*エチレンは気体であるため、エチレンを放出している果実は、周辺にある他の果実にも作用を及ぼす。たとえば、密閉された容器の中にたくさんの果実があるとする。1つの果実が成熟し、エチレンを放出すると、エチレンは同じ容器に入っている他の果実にも作用する。その結果、他の果実も次々と成熟を始める。
●古代、エジプトでは、果実に傷をつけることで、果実を肥大・成熟して食べていた。
●テレビドラマ『3年B組金八先生』(TBS)において、金八先生は「腐ったミカンを箱から放り出すような指導をするのか!我々はミカンをつくっているわけではない!」という主張したが、人が果実を熟させるようなエチレンガスを出すことはない。
●ジベレリンはセルロース繊維を水平方向に配置させる。結果、ジベレリンとオーキシンが共同すると細胞は縦方向に伸張する。
エチレンはセルロース繊維を縦方向に配置させる。結果、細胞は肥大する。
つまりセルロース繊維はベルトのような役割を持っている。
●エチレンは高等植物のほとんどの部位で生産される。植物体の一部をエチレン処理してもその効果が迅速に植物体全体に及ぶことから、エチレンは細胞間空隙を拡散により移動すると考えられている。
<Q.植物ホルモン多すぎて覚えられない!どこがテストに出そう?…まずは、『ジベレリン=休眠打破・種なしブドウ。サイトカイニン=細胞分裂促進・老化抑制。アブシシン酸=休眠維持・気孔閉じる。エチレン=離層形性』をチェック。後は問題に出てきたらその都度調べていけばよい。>
動画で紹介したものの他にも、植物ホルモンは存在する。noteで解説している。
https://note.com/yaguchihappy/n/na21be0dba6a9
#高校生物
#植物ホルモン
#エチレン
エチレンのはたらき(離層形成・果実の成熟促進)について解説します。
語呂「理想が散る(離層形成、エチレン。散る、というのが落葉のイメージ)
●エチレン:気体として放出される植物ホルモン。
*19世紀、人々は、ガス灯の近くの街路樹の葉が次々と落ちることを不思議に思っていた。1901年、ネルジュボフは、室内の照明用ガス灯から漏れ出る『気体』が、微量でエンドウ芽生えの成長に影響を与えることを発見した。1934年、ゲインは、数十個のリンゴから放出される気体を何日もかけて集め、エチレンを単離・同定した。
●エチレンのはたらき
①離層(りそう)を形成して落葉・落果を促進。
②植物体の伸長成長を抑制し、肥大成長を促進。
③バナナ・ミカンなどの果実の成熟を促進。
*成熟した果実から多量のエチレンが生成される。エチレンが成熟の引き金になり、成熟はさらなるエチレン産生の引き金になる。これは一種の連鎖反応である。
*エチレンは気体であるため、エチレンを放出している果実は、周辺にある他の果実にも作用を及ぼす。たとえば、密閉された容器の中にたくさんの果実があるとする。1つの果実が成熟し、エチレンを放出すると、エチレンは同じ容器に入っている他の果実にも作用する。その結果、他の果実も次々と成熟を始める。
●古代、エジプトでは、果実に傷をつけることで、果実を肥大・成熟して食べていた。
●テレビドラマ『3年B組金八先生』(TBS)において、金八先生は「腐ったミカンを箱から放り出すような指導をするのか!我々はミカンをつくっているわけではない!」という主張したが、人が果実を熟させるようなエチレンガスを出すことはない。
●ジベレリンはセルロース繊維を水平方向に配置させる。結果、ジベレリンとオーキシンが共同すると細胞は縦方向に伸張する。
エチレンはセルロース繊維を縦方向に配置させる。結果、細胞は肥大する。
つまりセルロース繊維はベルトのような役割を持っている。
●エチレンは高等植物のほとんどの部位で生産される。植物体の一部をエチレン処理してもその効果が迅速に植物体全体に及ぶことから、エチレンは細胞間空隙を拡散により移動すると考えられている。
<Q.植物ホルモン多すぎて覚えられない!どこがテストに出そう?…まずは、『ジベレリン=休眠打破・種なしブドウ。サイトカイニン=細胞分裂促進・老化抑制。アブシシン酸=休眠維持・気孔閉じる。エチレン=離層形性』をチェック。後は問題に出てきたらその都度調べていけばよい。>
動画で紹介したものの他にも、植物ホルモンは存在する。noteで解説している。
https://note.com/yaguchihappy/n/na21be0dba6a9
#高校生物
#植物ホルモン
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