酸素解離曲線②(問題編) 高校生物基礎
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説明
【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
酸素解離曲線の問題についてわかりやすく講義します。
●呼吸が活発な組織は、二酸化炭素が多く、温度が高く、乳酸ができるからpHが下がる。そういった場所では酸素がヘモグロビンから酸素が解離しやすくなっている。つまり酸素解離曲線は右へシフトする。
●胎児のヘモグロビンは母体のヘモグロビンが酸素を解離する様な環境でも酸素と積極的に結合し、母体から酸素をもらわなければならない。また、リャマのような酸素の少ない高地で生息する動物は、なるべく酸素との親和性を上げなければならない。だから胎児のヘモグロビンやリャマのヘモグロビンの酸素解離曲線は左へシフトする。
問題:pHが低いほど、酸素解離曲線は(①右・②左)にずれる。
答え:①(pHが下がるのは呼吸が活発になった時。そこで酸素をなるべく手放す必要がある)
問題:リャマのヘモグロビンの酸素解離曲線は、平地に住む動物のそれに比べて(①右・②左)にずれる。
答え:②(リャマは酸素濃度が薄い高地に住む動物のヘモグロビンは、希少な酸素をなるべく手放さないようにしなければならないので、酸素との親和性が高い)
問題:胎児のヘモグロビンの酸素解離曲線は、母体のそれに比べて(①右・②左)にずれる。
答え:②(胎児のヘモグロビンは、胎盤という環境で、母体のヘモグロビンが手放したから酸素を貰う必要がある。胎児のヘモグロビンは母体のヘモグロビンが酸素を解離するような環境で酸素を結合しなければならない)
●毛細血管は非常に細く、人類は、血液が循環することに長い間気付かなかった。考えてみてほしい。資料集や教科書の図が無かったら、あなたはどうやって血液の「循環」を知ることができるだろうか? 近代生物学の父ハーヴィは体を血液が循環するということを主張した。 「心臓の容量を2オンスとしよう。そして心臓の拍動数を1分間に72回としよう。そうすると左心室は1時間に72回×60分×2オンス=8640オンスの血液を大動脈中に送り出すことになる。・・・この大量の血液はどこから来たのだろうか。またどこへ行くのだろうか。」「私はここで血液の運動は環状ではないかと考えた。そして実際そうだと後になってわかった。血液が左心室の働きで大動脈に入り、体内に広く送られる。それは右心室によって肺動脈から肺へ血液が送られるのと同様の方法である。」
●二酸化炭素によってヘモグロビンの酸素に対する親和性が低下する現象はボーア効果とよばれている(発見者は天才物理学者ニールス・ボーアの父)。
●二酸化炭素は酸素解離曲線を右にシフトさせている。
胎児のヘモグロビンは、成人に比べ、左にシフトしている(酸素との親和性が高くなっている)。これは、母のヘモグロビンが酸素を投げ出すような環境で、酸素とくっつく性質を持つことで、母から酸素をもらえるようにするためである(胎盤という同環境で、母が酸素を離しがちに、胎児が酸素とくっつきがちになる必要がある。つまり、胎児のヘモグロビンは、生体のものより酸素との親和性が高くなっている[=酸素解離曲線が左にシフトしている]必要がある)
高地に住むリャマのヘモグロビンも左にシフトしている。酸素の薄い環境で、ヘモグロビンが酸素としっかり結合できるようにそのような進化をしたのだと考えられている。
#生物基礎
#ヘモグロビン
#酸素解離曲線
酸素解離曲線の問題についてわかりやすく講義します。
●呼吸が活発な組織は、二酸化炭素が多く、温度が高く、乳酸ができるからpHが下がる。そういった場所では酸素がヘモグロビンから酸素が解離しやすくなっている。つまり酸素解離曲線は右へシフトする。
●胎児のヘモグロビンは母体のヘモグロビンが酸素を解離する様な環境でも酸素と積極的に結合し、母体から酸素をもらわなければならない。また、リャマのような酸素の少ない高地で生息する動物は、なるべく酸素との親和性を上げなければならない。だから胎児のヘモグロビンやリャマのヘモグロビンの酸素解離曲線は左へシフトする。
問題:pHが低いほど、酸素解離曲線は(①右・②左)にずれる。
答え:①(pHが下がるのは呼吸が活発になった時。そこで酸素をなるべく手放す必要がある)
問題:リャマのヘモグロビンの酸素解離曲線は、平地に住む動物のそれに比べて(①右・②左)にずれる。
答え:②(リャマは酸素濃度が薄い高地に住む動物のヘモグロビンは、希少な酸素をなるべく手放さないようにしなければならないので、酸素との親和性が高い)
問題:胎児のヘモグロビンの酸素解離曲線は、母体のそれに比べて(①右・②左)にずれる。
答え:②(胎児のヘモグロビンは、胎盤という環境で、母体のヘモグロビンが手放したから酸素を貰う必要がある。胎児のヘモグロビンは母体のヘモグロビンが酸素を解離するような環境で酸素を結合しなければならない)
●毛細血管は非常に細く、人類は、血液が循環することに長い間気付かなかった。考えてみてほしい。資料集や教科書の図が無かったら、あなたはどうやって血液の「循環」を知ることができるだろうか? 近代生物学の父ハーヴィは体を血液が循環するということを主張した。 「心臓の容量を2オンスとしよう。そして心臓の拍動数を1分間に72回としよう。そうすると左心室は1時間に72回×60分×2オンス=8640オンスの血液を大動脈中に送り出すことになる。・・・この大量の血液はどこから来たのだろうか。またどこへ行くのだろうか。」「私はここで血液の運動は環状ではないかと考えた。そして実際そうだと後になってわかった。血液が左心室の働きで大動脈に入り、体内に広く送られる。それは右心室によって肺動脈から肺へ血液が送られるのと同様の方法である。」
●二酸化炭素によってヘモグロビンの酸素に対する親和性が低下する現象はボーア効果とよばれている(発見者は天才物理学者ニールス・ボーアの父)。
●二酸化炭素は酸素解離曲線を右にシフトさせている。
胎児のヘモグロビンは、成人に比べ、左にシフトしている(酸素との親和性が高くなっている)。これは、母のヘモグロビンが酸素を投げ出すような環境で、酸素とくっつく性質を持つことで、母から酸素をもらえるようにするためである(胎盤という同環境で、母が酸素を離しがちに、胎児が酸素とくっつきがちになる必要がある。つまり、胎児のヘモグロビンは、生体のものより酸素との親和性が高くなっている[=酸素解離曲線が左にシフトしている]必要がある)
高地に住むリャマのヘモグロビンも左にシフトしている。酸素の薄い環境で、ヘモグロビンが酸素としっかり結合できるようにそのような進化をしたのだと考えられている。
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