【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
重複受精について講義します。
語呂「有言実行して正妻になる(雄原細胞が精細胞になる)」
覚え方「胚のう母細胞→胚のう細胞→胚のう(だんだん文字が減っていく)」
配偶子形成について
• 植物の配偶子形成(花粉・胚のう) 高校生物
被子植物の発生について
• 被子植物の発生(有胚乳種子・無胚乳種子)高校生物
●重複受精は、被子植物特有の受精形式である。2個の精細胞が、それぞれ卵細胞、中央細胞と受精する。
①精細胞(n)+卵細胞(n)→受精卵(2n)・・・胚になる
②精細胞(n)+中央細胞(n)(n)→胚乳(3n)・・・胚の栄養になる
★精細胞(n)と中央細胞の2個の極核(n)(n)が受精するので、胚乳は3倍体(胚乳の核相は3nである)になる(非常によくテストに出る)。
★発展だが、裸子植物の胚乳の核相はnである。
*「裸子植物では、核相nの胚のう細胞が体細胞分裂を繰り返し、胚乳になる。」と高校では教えることが多い。しかし、狭義の胚乳は「被子植物の」栄養組織を指すので、裸子植物に対して使用する用語としてはあまり適切ではない。
●現代は被子植物の時代である。この重複受精のしくみが、被子植物がここまで地球に支配的になった原因の一つと考えられている(もちろん、もう一つの原因は、綺麗な花を咲かせ、昆虫などを利用して花粉を運ばせるという戦略である)。
たしかに重複受精は効率的である。結婚の予定もない、彼氏・彼女も作る予定のない友達の部屋に、たくさんの粉ミルクが蓄えてあったら変である。ミルクは赤ちゃんと同時に手に入れるほうが、無駄がなくて良い。
●高校では、はじめに胚のうにたどり着いた精細胞が卵細胞と受精し、あとから着いた精細胞が胚乳と受精すると教えることが多いが、実はこのへんはまだよくわかっていない。
●花粉管は二つの精細胞と花粉管核、それとかなりの量の細胞質を含んでいる。細胞質の一部は花粉管に残るが、急速に退化する。花粉管から放出された細胞質も即座に退化する。
●精細胞は助細胞中に放出されるが、核だけが移動して、細胞の外へ出ていくという説が有力である。しかし、近年、精細胞の細胞質もまた、受精に関わることがあると言われるようになった。精細胞の移送様式は、まだ推測の域を出ない。
●精細胞のひとつは卵細胞の細胞膜と接触し、もうひとつの精細胞は中央細胞と接触する。接触後、接触点の膜が融合する。ひとつの精核は卵細胞内に、もうひとつは中央細胞内に放出される。卵細胞、中央細胞に侵入したあと、精核は受動的に細胞質の流れに乗って卵核、あるいは極核まで運ばれる。
●大多数の植物の胚乳は、最初は三倍体である。三核融合ではひとつの精核がふたつの極核と融合する。三倍体なのは、三つの半数体の核が融合してできたものだからである。そのひとつは精細胞の核、つまり精核由来、ふたつは極核由来である。
●胚乳を形成しない被子植物はラン科、カワゴケソウ科、ヒシ科なと、一部だけである。
つまり、胚乳は、とにかく一度はつくられるのである。その後で、無胚乳種子と有胚乳種子の運命が分かれるのである。
●エンドウ、マメ科などは、胚に消費されて種子は無胚乳種子となる。その他は、完熟種子まで胚乳が持ち堪え、有胚乳種子となる。有胚乳種子の有名なものとしては、穀物、トウゴマ、ココヤシなどがある。胚乳は、人類の主食である。胚乳は、穀物やココヤシでは食用部分になるし、トウゴマではヒマシ油の原料になる。
問題:遺伝子型AAの個体のめしべに、遺伝子型aaの個体がつくった花粉を受粉させた。生じた種子の種皮の遺伝子型を答えよ。
答え:AA(花粉側の遺伝子型が書かれているのはフェイク。種皮はもともとめしべ側の個体の体の一部なので、めしべ側の遺伝子型と同じである)
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