【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
眼の遠近調節について講義します。毛様体とチン小帯は連動します。
●遠くを見る時、毛様体の筋肉が弛緩し、チン小帯(ちんしょうたい:帯の字に注意。チンはドイツの解剖学者の名前)が引っ張られ水晶体がうすくなる。
遠くを見るとき、水晶体がうすくなる。(これだけ知っておく。あとは、そのために何が必要か考えれば、暗記する必要はなくなる。)
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水晶体をうすくするためには、チン小帯で引っ張ればよい(チン小帯が緊張する[緊張する、とは、ピンと張る、みたいなイメージ])。
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チン小帯をひっぱるには、毛様体は弛緩すればよい。
と考える。
近くを見る時は、毛様体の筋肉が収縮し、チン小帯がゆるみ、水晶体が厚くなる(近くを見る時の変化は、遠くを見る時を覚えれば、基本的に遠くを見る時と逆なので、推察できる)。
問題:遠くのものを見る時、
毛様体は( ① )。
チン小帯は( ② )。
水晶体は( ③ )。
空欄を埋めよ。
答え:①弛緩する ②緊張する ③うすくなる
● 毛様体とは、脊椎動物の水晶体の周辺を囲む器官である(筋繊維の束を含む)。チン小帯によって水晶体につながり、水晶体の曲率の調節を行う。毛様体の筋肉が収縮すると、毛様体全体の内径が小さくなり、それと水晶体を連結する細い繊維であるチン小帯は弛緩する。その結果、水晶体が自らの弾性により曲率を増し、近い対象物に焦点が調節される(曲率とは、曲がりの程度を示す値)。
● ヒトのように、レンズの曲率を変えて調節をする動物の大部分は陸上生活をし、その眼は調節なしの状態では無限遠に焦点が合っている。近距離に調節する場合は、毛様体が収縮してチン小帯を弛緩させ、水晶体は自己の弾力により曲率(特にその前面の)を増す。 最大限の調節を行ったときに焦点が合う点が近点である。 対象物が遠点(調節を休止させたときに明視できる一点。正視眼では無限遠)と近点の中間にあれば、毛様体の調節によって対象物の像を網膜上に結ぶことができる。
*脊椎動物の遠近調節は面白いですね。我々の眼はカメラに似ているので「カメラ眼」などと言われますが、カメラと違うところもあるのですね。
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