【 note : https://note.com/yaguchihappy 】
伴性遺伝と家系図に関する問題について解説します。
性染色体についての解説はこちら↓
• 性決定・性染色体 高校生物
● 性染色体上にある遺伝子による遺伝を、伴性遺伝(はんせいいでん、ばんせいいでん)と言う。特に、XY型の生物において、ある遺伝子がY染色体上にはなく、X染色体上のみに存在するために、劣性であっても雄のX染色体上に存在する遺伝子の作用が現れる場合、完全伴性遺伝(知らなくてよい)といい、ふつう、「伴性遺伝」というときにはこれを指す。
● ヒトを含む真獣類のY染色体には、SRY(sex-determining region Y)という性決定遺伝子がある。性染色体をXXに持つマウスのメスの胚にSRYを遺伝子導入すると、導入された個体に精巣が形成される。ヒトの場合、X染色体には約1100個の遺伝子が存在するが、Y染色体には約80個の遺伝子しか存在しない(その中でも、タンパク質をコードしている遺伝子は30個程度とされる。そのほとんどは精巣特異的な遺伝子である)。
● 劣性遺伝病に関して、正常遺伝子と病気を発現する遺伝子のヘテロ接合となっている個体を保因者(ほいんしゃ。キャリアー)という。今回の問題の場合、XAXaの女性が保因者と呼ばれる。
● 先天赤緑色覚異常(錐体細胞の異常などが原因となる)は、日本人の男性の約5%にみられるとされる(一般に女子より男子の方が頻度が高い。これは、この原因遺伝子がX染色体にあるためであると考えられている。X染色体を1本しか持たない男子では、異常が出現しやすい。1本Xaをもつと異常になるからである。[女子の場合は、Xaを1本持っていても、もう1本がXAならば異常は現れない])。
*今回の動画中での「正常」とは、「赤緑色覚異常でない」という意味である。入試に合わせてこのような表現をしたが、本来、色の感じ方の差異は個性であるので、「正常」「異常」という語は適切でない。
*今回の動画では、「男子」の語を「男性と男の子」の意味で使用している。
*今回の動画では、生物学的な議論(ヒトという生物の性と遺伝に関する議論)をしているのであって、実際は、性別の認識の仕方には個性がある(身体の性と心の性を別々に考えて議論する場合もある)。性染色体の持ち方は、性の決定における唯一の根拠とは限らない。念のため。
*ベイズの定理を使う必要がある超難問(悪問と言ってよいと思う)については以下のnoteで解説しています↓
https://note.com/yaguchihappy/n/n05901fb5e43f
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