アプリ「okke」で効率よく学ぶ!

【高校古文】宇治拾遺物語『袴垂、保昌にあふこと』現代語訳・意訳|万葉授業4限目


よろづ萩葉の万葉ちゃんねる

10分22秒

再生速度:1倍速

説明

古典作品についてお話をする「万葉ちゃんねる」のよろず萩葉です!

【目次】
00:37 「袴垂、保昌に会ふこと」原文
03:14 「袴垂、保昌に会ふこと」現代語訳
06:02 語句の解説
07:07 アニメーションによる意訳

◆「万葉授業」再生リスト:https://www.youtube.com/playlist?list=PLNPIDLCvq9XbujOfbxsExKBsflYRVvV7s

こちらは授業風の映像となっています。
題材は、「【宇治拾遺物語】袴垂、保昌に会ふこと」

教科書よりも内容が理解しやすい教材を目指していきます。

【動画編集】
yu-can:https://twitter.com/u_canyu

【楽曲提供】
花城宮 季都輝さん:https://twitter.com/Kagimiya_Itsuki

【原文】
 昔、袴垂とて、いみじき盗人の大将軍ありけり。十月ばかりに、衣の用なりければ、衣少しまうけんとて、さるべき所々うかがひありきけるに、夜中ばかりに、人みな静まり果ててのち、月の朧なるに、衣あまた着たりける主の、指貫の稜挟みて、絹の狩衣めきたる着て、ただ一人、笛吹きて、行きもやらず練り行けば、「あはれ、これこそ、我に衣得させんとて出でたる人なめり。」と思ひて、走りかかりて衣を剥がんと思ふに、あやしくものの恐ろしくおぼえければ、添ひて二、三町ばかり行けども、我に人こそつきたれと思ひたるけしきもなし。いよいよ笛を吹きて行けば、試みんと思ひて、足を高くして走り寄りたるに、笛を吹きながら見返りたるけしき、取りかかるべくもおぼえざりければ、走り退きぬ。
 かやうに、あまたたび、とざまかうざまにするに、つゆばかりも騒ぎたるけしきなし。稀有の人かなと思ひて、十余町ばかり具して行く。さりとてあらんやはと思ひて、刀を抜きて走りかかりたるときに、そのたび、笛を吹きやみて、立ち返りて、「こは何者ぞ。」と問ふに、心も失せて、我にもあらで、ついゐられぬ。また「いかなる者ぞ。」と問へば、今は逃ぐともよも逃がさじとおぼえければ、「引剥ぎにさぶらふ。」と言へば、「何者ぞ。」と問へば、「字、袴垂となん、いはれさぶらふ。」と答ふれば、「さいふ者ありと聞くぞ。あやふげに、稀有のやつかな。」と言ひて、「ともにまうで来。」とばかり言ひかけて、また同じやうに笛吹きて
行く。
 この人のけしき、今は逃ぐともよも逃がさじとおぼえければ、鬼に神取られたるやうにて、ともに行くほどに、家に行き着きぬ。いづこぞと思へば、摂津前司保昌といふ人なりけり。家のうちに呼び入れて、綿厚き衣一つを給はりて、「衣の用あらんときは参りて申せ。心も知らざらん人に取りかかりて、汝あやまちすな。」とありしこそ、あさましく、むくつけく、恐ろしかりしか。いみじかりし人のありさまなりと、捕らへられてのち、語りける。


【引用・参考】
新日本古典文学大系
第一学習社 高等学校古典B古文編


#万葉ちゃんねる #古文 #保昌と袴垂
... 続きを読む

タグ

よろづ萩葉の万葉ちゃんねる
# 万葉先生
# 宇治拾遺物語