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どんな人が向いている?小学校の先生時代の話|丸竹夷/YouTube高校さん③


その他
2022年11月30日

ばってんです ♨️
 
普段、授業動画で勉強する方も多いと思いますが、お世話になっているYouTuberの方の高校時代や大学時代を深く知る機会ってあまりないですよね。
 
また、勉強法や大学や学部の紹介については、ネットで調べたら結構情報が出てきますが、「どんなことを考えてどんな進路の選択をしたのか」とか「大学進学後の人生の道の選び方」がわかるものは少ないです。
 
学校の先生もそこまでは詳しく知らない場合があるので、これに関しては、実際に大学を卒業して社会で活躍している方の体験談を聞くのが良いと思います。
 
そこで今回は、教育大学から小学校の先生を経て、現在はYouTube上でわかりやすすぎる日本史の授業動画を作られている丸竹夷 / YouTube高校さんYouTubeのチャンネルokkeのチャンネル)に、高校時代の過ごし方から進路選び、大学での経験、さらには社会人になった後の話をじっくりとインタビューしました!
 
インタビューが盛り上がりすぎて、1つの記事に収まらず、4部構成になっています。志望校に関係なく、ぜひ普段の勉強に役立ててみてください!

 
勉強の休憩時間に是非読んで、やる気を上げてもらえたら嬉しいです。

YouTube高校・日本史まとめ

(映像でとてもわかりやすく日本史のストーリーを学べるチャンネルです。チャンネル登録もぜひ!)


今回は第三回で、小学校の先生時代の過ごし方や、なりたい人へのアドバイスなどを深く伺いました。

小学校の先生の1日の流れ

では引き続き、先生になってからのお話も聞いていきたいと思います!まずは自分も含め、小学校の先生が授業以外で何をしているのか、イメージが湧かない人も多いと思います。1日の流れを教えて頂けますか?

前提として、自分は珍しいタイプだと思うので、これがスタンダードだと思うと痛い目を見るかもしれませんが、一方で、こういうこともできるんだ、とプラスに捉えてもらえたらと思います。笑

まず平日は、朝の6時には起きていました。公立の小学校だとだいたい家の近くの学校に配属となるのですが、自分の場合も車で10-20分くらいのところに勤務していて、6時半くらいには学校にいました。

起きるのも朝の支度もめちゃくちゃ早いですね!

朝早く行けば何でもできるんですよね。これをすることで土日に学校に行かなくて良いし、夕方5時に帰れるんですよ。笑

8時半から授業と決まっていたので、2時間という時間の制限ができて、ダラダラ仕事をやらずにすみました。放課後の職員室に残っていたら色々な先生に話しかけられて仕事が進みません。

1日分の授業準備をその朝の2時間でやっていたのですが、学年の他の先生とも連携して準備していました。例えば、放課後だと先生がみんな授業準備でコピー機を使うので、混むんですよね。朝だと誰もいないのでコピー機を使いたい放題で、他の先生が印刷したい分とかを、夜のうちに自分の机に積んでおいてもらって、朝行ってから自分が印刷してました。

その代わり、他の先生にはプリント自体を作ってもらったり、役割分担しながら効率よく準備していましたね。

あとは、その日中に返さないといけない宿題の丸つけとかがあるのですが、慣れてきたら朝にも余裕ができるので、1時間目より前に教室に上がって、早く来て遊んでる子から宿題を出してもらって、丸つけして宿題を朝のうちに返してました。

そうすると、1時間目以降の休み時間とか昼休みに子どもをしっかり見られるので、余計なトラブルを防げます。笑 

好循環ですね!確かに漢字ノートとかの毎日の宿題は、その日に返さないといけないですから先生も大変ですね...。放課後はどんな感じでしたか?

15時くらいには6時間目が終わって、次の日の準備などを2時間やって、帰っていました。

自分の場合は、周りの先生とも連携しながら平日に効率よく仕事できていたので、休日は自分のために時間を使って、当時から毎週土日はどっかに旅に出ていましたね。

典型的な、仕事ができる社会人ですね!笑 煎じて飲む用の爪の垢が欲しいです。



先生になる前とのイメージの違い

小学校の先生になる前とのイメージの違いはありましたか?

良い面も悪い面もやっぱりありましたね。

良い面からぜひお願いします!

子どもって自分が予想できないことをやってくるんだなという発見があり、それがいつも楽しかったですね。

例えば、小学1年生の子ってとても鼻がいいんですよ。落とし物で靴下があったときに、前に出てきて匂いを嗅いで、誰のか言い当てていたのがすごかったです笑

あとは、小学校だと6年間見られるのが良かったです。卒業生を担任していなくても、1年生の頃に担任だった子を卒業式で見られたりするんですよね。全然何もできなかった子が、クラブ活動とか委員会活動とか頑張っていたり、周りのことを見られるようになっていたり、成長を見られるのはとても感慨深かったです。

では、思っていたのと違った点を率直にお伺いしてもいいですか?

たぶん自分は子供の頃、いわゆるいい子だったと思うんです。そして、いい子から見た先生はいい先生で、だから小学校の先生になりたいなと感じたんだと思います。でも、当たり前のことですが、先生側が接する子どもはさまざまで、問題行動を起こす子にしっかり接してあげる必要があります。いい子は逆に見なくていいんですよね。笑

もちろん担任として全体を見るんですが、家庭環境とか背景は人それぞれで、自分も自分の人生しか経験していないので、大人の自分でも経験したことないようなことを経験している子もいます。そういうときに、何て言えばその子の心に届くのか、考えるのが難しかったです。

どのようにして乗り越えられてきたのですか?

先生としての、そういった経験を積んでいくしかなかったですね。ベテランの先生は、いろんな子を見てきていて経験が積み重ねられているので、そういう先生に相談もしました。

最初はもちろんできないので、そこで落ち込んじゃう人も多いんですが、これから先生になる方にはできないのが普通だと思った方が良いよと伝えたいです。

確かにそれはショックを受けますが、単に経験によるところも大きいということですね。他に感じたことはありますか?

まあよく言われますが、やっぱり先生の働き方はシステム的に限界かなと思います。無駄な仕事を増やして、でもその代わりに減る仕事は無い、みたいな状況が多いです。ただ、難しいのは、それを変えるのための時間は日々の仕事に追われて確保できないし、校長がその状況を変えられるかというと、それもまた権限が決まっていてできないこともあるんですよね...。

現場では変えられないので、政治家になって制度を変えるしかない、でも自分がやりたいのは先生であって政治家じゃない、そんな話になっていくわけです。個人の問題でも、校長の問題でもないので、結構ジレンマがあります。

ありがとうございます。小学校の先生のご経験は、その後にも役立っていますか?

スキルの面でいくと、小学生にもわかるように教えるってとても難しいんですよね。こういう表現をしたら、わからない人でもわかるだろう、という感覚は、毎日子どもに教えることで研ぎ澄まされていきました。これはYouTubeの授業動画作りでとても役立っています。

特に自分の場合は、1年目に支援学級を担当したので、そのスキルがより研ぎ澄まされたかなと思います。

確かに、いきなり小学生の子に教えろと言われても全くできない気がします...。研修などで最初に教え方を学ぶのですか?

いえ、3月まで大学生だった人が1週間後にはすぐ授業しないといけないです。笑 

最初の1年間で初任者研修というものがあるんですけど、理科の教え方を研修で学ぶのが9月とかだったりするんですよね。それまでは自分でやらないといけなくて、先輩の授業を見に行く機会も基本的には無いので、結局は自分でやりながら身につけていく感じです。

小学校の先生になりたい人へのアドバイス

先生時代のご経験を踏まえて、どういう人が小学校の先生に向いてると思いますか?

よく「子供が好きなのでなりたいです!」というパターンがあると思うんですが、理想と結構乖離しているところもあるので、好きなだけだと病んでしまう人もいます。良くも悪くも、子供って想定外のことをしてくるので。言っても聞かない子もいますし、理不尽に怒らない方が向いているかもしれません。笑

この記事は高校生の方々向けなのですが、未来の小学校の先生に、メッセージをお願いします!

小学校の先生の資格は、「とりあえず取っておく」みたいな人も多くて、結構誰でもできる仕事になってしまっている感じはあります。でも本来はそうじゃ無いはずで、教育は国の根幹を成すものなので、変えていかないといけないと思っています。

先ほど話した通り、制度の問題も大きいのですが、今から学校の先生になる人には現実を見ながら、かつ理想を追い求めて、手段を考えて実行していってほしいと思います。ただ、そんな人はどの職場からも引っ張りだこだと思うので、小学校の先生にはならないかもしれませんね。笑



いかがでしたか?
 
小学校の先生時代の詳しいご経験や率直な考えを聞くことができて、とても勉強になりました。
 
小学校の先生になろうと思っている方も、今のところ思っていない方も、自分の将来の仕事を考える大きなきっかけになりますね。
 
これまでのインタビューとも一貫して、自分の経験から言語化された学びを得て、今に活かしていらっしゃるのが素敵だなと思います。
 
次回の記事では、小学校の先生を辞めて、YouTubeでの動画投稿を始められてからの話をじっくりと聞いていきます。
 
読んでいただき、ありがとうございました〜。

この記事の著者

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ぶおとこばってん

ラ・サール中高→東大理1→計数工学科(数理情報)→UCLA院卒 社会を人から変える会社 okke の CEO YouTube上で、高校数学をじっくりコトコト深く解説中 頭があったまる記事を書いていきます ♨️

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