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北の大学生

文系でも楽しめる「日常に溢れる物理」~バケツからこぼれない水~

2024年9月10日

こんにちは北の大学生です!

今回は文系の方でも楽しめる「日常にあふれる物理」について書いていきたいと思います。

物理を勉強したことがない方やまだ文理選択をしていない方がいたら、ぜひこの記事を読んで物理に興味を持ったり、「物理って面白いんだな」と思ってほしいです。

バケツを振り回してもこぼれない水

皆さんは小さい頃に水の入ったバケツを振り回したことがあるでしょうか。私はあるのですが、その時なぜか水がこぼれなかったので不思議に思った記憶があります。
この現象も物理を使って説明することが出来るので、説明していきます。

バケツの水がこぼれないのは、遠心力が働いているからです。なんとなく「遠心力のおかげ」と知っている方はいるかもしれませんが、厳密に説明できる人はあまりいないのではないでしょうか。

実際に説明していきます。質量mの水を、半径r、角速度ω(バケツを回す速度と思ってください)で回転運動させたとします。



この時、水には大きさmrω^2の遠心力がはたらいていると考えることが出来ます。(^2 は2乗のことです)実際には色々な要素が絡まっているのですが、そこまで解説すると少し難しいので今回は省略します。

遠心力の大きさがmrω^2であることから、遠心力は角速度ω(回る速度)の2乗に比例して大きくなることが分かります。これは、バケツを速く回すと水がこぼれないことからも納得できるでしょう。逆に、角速度ωが小さい、つまりバケツをゆっくり回したときは水はこぼれますね。

では角速度ω(回す速度)がどれくらいの大きさになった時に、水はこぼれなくなるのでしょうか。

図から分かるように、水に対して、内向きの半径方向にはたらく重力はmgsinθ、外向きにはたらく遠心力はmrω^2です。遠心力の方が大きいときは、水はこぼれません。大小が切り替わると、こぼれるようになります。

内向きの力はバケツの位置(角度)によって変わっていきますが、最も大きくなるのは、θ=90°、つまりバケツが真上に来たときで、この時の力の大きさはmgsin90°=mgとなります。

従って、外向きの力が常にmgより大きければ、水は回転中ずっとこぼれないことになるので、

mrω^2≧mgより、

の時、バケツの水はこぼれなくなります。

この結果から、水がこぼれないための角速度(バケツを回す速度)は、半径によって決まることが分かりました。(g:重力加速度は一定だから)

以上で説明は終わりですが、いかがでしょうか。少しでも物理って面白いなと思っていただければ幸いです。


今回はここまでです!
それでは読んで頂きありがとうございました🙏

北の大学生

地方自称進学校→河合塾で1年浪人→北海道大学総合理系→北海道大学工学部 受験期の過ごし方、大学生活などを受験生の参考になるように発信していきたいと思います。 質問やリクエストがあればXアカウントの方にコメントかDMお願いします!

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